芸術闘争論 の感想
参照データ
タイトル | 芸術闘争論 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 村上 隆 |
販売元 | 幻冬舎 |
JANコード | 9784344019126 |
カテゴリ | ジャンル別 » ノンフィクション » アート・エンターテイメント » アート・芸術 |
購入者の感想
昨今「グローバル人材」なる言葉をよく聞くが、その定義はひどくあいまいで「世界に通用する日本人」とか「世界に認められた日本人」などと言い換えたところでまだよくわからない。本書は芸術界におけるグローバル人材を定義し、世界で戦える日本の芸術家になるためのものの見方、考え方、行動の仕方を書いたものである。その内容は、芸術界のみならず、外交、経済、科学技術など、あらゆる分野で通用する。このことはあらゆる分野に「グローバル人材」が不足しているという現実の裏返しであること、そしてその根っこにある原因が同じであることを物語っている。村上がいうところの「自由真理教」がその正体だ。「戦後の日本人は、首輪をつけられないで育てられてしまった犬のようなもの」と村上は言う。です。「『自由』という名の野良犬」であると。ここでいう首輪とは、最高峰の戦いが行われる場におけるルール、のことである。そのルールを無視し、拒絶し「自分らしさ」にこだわることが自由だと勘違いしている。その「怠惰と欺瞞」に鉄槌を下しつつ、手を差し伸べて、一緒にがんばろう、と檄を飛ばしているのが本書である。