国際私法入門 第7版 (有斐閣双書) の感想

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参照データ

タイトル国際私法入門 第7版 (有斐閣双書)
発売日販売日未定
製作者沢木 敬郎
販売元有斐閣
JANコード9784641112797
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 国際法

購入者の感想

本書は、国際民事手続法に関する改正(2010年、2012年)に対応した、国際私法のテキストです。同様の対応を行っているものとして、他に、(1)横山潤『国際私法』(三省堂、2012年)、(2)神前禎ほか『国際私法〔第3版〕』(有斐閣、2012年)、(3)松岡博編『国際関係私法入門――国際私法・国際民事手続法・国際取引法〔第3版〕』(有斐閣、2012年)があります。

(なお、本書は、ウィーン条約の発効(2009年)には対応していますが、資格試験で必要となるインコタームズの記載がありません。)

本書は、著者として二名のお名前がありますが、元々は澤木先生の著書に、澤木先生の死後、道垣内教授が改訂を行ったものです。澤木先生のコンセプトは、初心者に分かり易く、かつ、廉価(千円前後)に提供し、授業で内容を補うというものでした。しかし、道垣内教授は、(1)一字一句までこだわりのあった文章や項目を大きく改変して悪文に変えており、(2)調停委員及び法制審議会の委員としての経験に裏付けられた澤木先生のご見解(例えば、離婚給付の問題)を、法改正と無関係に、大幅に自説に変更するなどした結果、整合性や分かり易さが失われました。また、(3)今回の改訂により、二千円を超えてしまい、廉価とはいえなくなりました。

はしがきによると、国際民事手続法の部分は「全面的に書き改め……解釈論を展開するための基礎を提供したつもり」とあります。確かに、法改正により全面改訂はやむを得ないでしょう。しかし、内容を読むと、全面的に道垣内説のオンパレードであるばかりか、詰め込み過ぎて分かり難い内容になっているので、単なる「基礎を提供」とはいえません。これでは「入門」という表題は詐欺同然ではないか、との批判が可能でしょう。

本書では、6版での間違いや誤記(例えば、協議離婚の方式に関して6版121頁・7版114頁)は、今回幾つか訂正されていましたが、まだ残っているので注意が必要です(本書を指定テキストにしている先生であれば、当然よく理解されているはずですから、講義中に教えてくれるでしょう。)。

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