糞袋の内と外 の感想
参照データ
タイトル | 糞袋の内と外 |
発売日 | 2013-04-19 |
製作者 | 石黒 浩 |
販売元 | 朝日新聞出版 |
JANコード | 9784023311800 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » あ行の著者 |
購入者の感想
難解な題材にもかかわらず、内容紹介にあるようにTwitterでの発言をもとに書かれているためか、非常に読みやすい。
なぜ人は生き残っているのかといえば『(前略)個々の人間の意図とはほとんど関係なく、自然界の仕組みに従って生き残っているだけ』(P84)であり、また人間は『人間のことも他人のことも、そして自分のことも知らないままに、他人と関わり、社会を構成している』(P173)と言う。類書と比較すると、このような生物学的見解や人間を俯瞰してのユニークな特徴付けが多数見受けられ、興味深い。
『人間の最も人間らしいところの一つは、非常に抽象的な言葉を皆で共有している点であろう。「心」「感情」「意識」「生死」そして「人間」という言葉。その実態は不明確ながらも、おそらくそう呼ぶであろうものが存在すると皆が信じている』(P142)という指摘は特に面白かった。
語りかけているかのような温かみある文体も相まって、最も"進化"した生物であろう人間の曖昧さが愛おしくも感じる一冊です。
なぜ人は生き残っているのかといえば『(前略)個々の人間の意図とはほとんど関係なく、自然界の仕組みに従って生き残っているだけ』(P84)であり、また人間は『人間のことも他人のことも、そして自分のことも知らないままに、他人と関わり、社会を構成している』(P173)と言う。類書と比較すると、このような生物学的見解や人間を俯瞰してのユニークな特徴付けが多数見受けられ、興味深い。
『人間の最も人間らしいところの一つは、非常に抽象的な言葉を皆で共有している点であろう。「心」「感情」「意識」「生死」そして「人間」という言葉。その実態は不明確ながらも、おそらくそう呼ぶであろうものが存在すると皆が信じている』(P142)という指摘は特に面白かった。
語りかけているかのような温かみある文体も相まって、最も"進化"した生物であろう人間の曖昧さが愛おしくも感じる一冊です。