Dear Life の感想
参照データ
タイトル | Dear Life |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | Alice Munro |
販売元 | Vintage |
JANコード | 9780099578642 |
カテゴリ | » 洋書 » Special Features » all foreign books |
購入者の感想
高校生のときから短編を発表してきたMunroの作品は、以前は抽象的なところがあったが、今回の『Dear Life』はずいぶん一般人にもわかりやすく、感情移入しやすくなっている。
「To Reach Japan」は、一見幸福で安定した結婚生活を送っている女性詩人のどこか満たされない思いと一瞬にしてそれが破壊される危うさを描いている。次の「Amundsen」では、狡猾な男に巧みに騙されたナイーブな女性の体験を何年もたって振り返ることに哀愁を覚える。
私が最も感情移入したのが、高齢にさしかかった女性が主人公の「In Sight of the Lake」と「Dolly」である。特にDollyでは、長年連れそった夫への信頼があるからこそ主人公が感じる苛立ちと安心感にニヤリとする。著者がこういうものをストレートに描くようになったのは、82歳という年齢になったからなのだろう。
Munroファンにとって一番うれしいのは、自伝的なフィクションの「The Eye」「Night」「Voices」「Dear Life」4作である。著者は私よりずっと前にカナダで生まれた女性なのだが、家族への複雑な心境や郷愁、特に「ほろ苦い」部分は国境を超えた普遍的なものだと感じた。
著者は2013年10月10日にノーベル文学賞を受賞。
「To Reach Japan」は、一見幸福で安定した結婚生活を送っている女性詩人のどこか満たされない思いと一瞬にしてそれが破壊される危うさを描いている。次の「Amundsen」では、狡猾な男に巧みに騙されたナイーブな女性の体験を何年もたって振り返ることに哀愁を覚える。
私が最も感情移入したのが、高齢にさしかかった女性が主人公の「In Sight of the Lake」と「Dolly」である。特にDollyでは、長年連れそった夫への信頼があるからこそ主人公が感じる苛立ちと安心感にニヤリとする。著者がこういうものをストレートに描くようになったのは、82歳という年齢になったからなのだろう。
Munroファンにとって一番うれしいのは、自伝的なフィクションの「The Eye」「Night」「Voices」「Dear Life」4作である。著者は私よりずっと前にカナダで生まれた女性なのだが、家族への複雑な心境や郷愁、特に「ほろ苦い」部分は国境を超えた普遍的なものだと感じた。
著者は2013年10月10日にノーベル文学賞を受賞。