Don't Sleep, There Are Snakes: Life and Language in the Amazonian Jungle (Vintage Departures) の感想
参照データ
タイトル | Don't Sleep, There Are Snakes: Life and Language in the Amazonian Jungle (Vintage Departures) |
発売日 | 2009-11-03 |
製作者 | Daniel L. Everett |
販売元 | Vintage |
JANコード | 9780307386120 |
カテゴリ | » 洋書 » By Publisher » Random House |
購入者の感想
Amazon原住民Piraha族の異国情緒を気軽に読み流す本のつもりで読み始めたが、途中で目の色が変わった。現代社会の鮮明な対案を突き付けられ、我々の文化を自己点検せざるを得ない本だ。著者は彼らの文化に接するうちにキリスト教文化に疑問を持ちそれを捨てたため、家族と離縁する羽目になった。
言語学に理解と関心のある読者には、Piraha語の言語学的な特異性が興味深い。著者はPiraha語を学び新約聖書を翻訳する目的で送り込まれた宣教師だったが、Piraha語が言語学の大御所Chomsky教授による言語学統一理論に乗らない反例であったため、著者の学会発表は注目されMITでPhDを取得した。耳目を疑うほどのユニークな言語である。
著者は布教には失敗する。それはPiraha族が(1)自分が見たか、(2)見た人の経験談、しか信じない文化を持つからだ。会ったことがないJesusの話は全く説得力が無かった。同じ理由でPiraha族には創世物語は無く、過去や将来に悩むこともない。病や死は日常茶飯事で恐れたり悩んだりすることではなく、心配・恐れ・絶望はほぼ無い。1日ずつ精一杯生きて、笑いが絶えない幸せな彼らに「神を信じれば恐れが消えて幸せになれる」と言っても空しいと著者は悟る。
著者と同様に我々も、現代社会と文化を深く見直す必要があると感じた。
言語学に理解と関心のある読者には、Piraha語の言語学的な特異性が興味深い。著者はPiraha語を学び新約聖書を翻訳する目的で送り込まれた宣教師だったが、Piraha語が言語学の大御所Chomsky教授による言語学統一理論に乗らない反例であったため、著者の学会発表は注目されMITでPhDを取得した。耳目を疑うほどのユニークな言語である。
著者は布教には失敗する。それはPiraha族が(1)自分が見たか、(2)見た人の経験談、しか信じない文化を持つからだ。会ったことがないJesusの話は全く説得力が無かった。同じ理由でPiraha族には創世物語は無く、過去や将来に悩むこともない。病や死は日常茶飯事で恐れたり悩んだりすることではなく、心配・恐れ・絶望はほぼ無い。1日ずつ精一杯生きて、笑いが絶えない幸せな彼らに「神を信じれば恐れが消えて幸せになれる」と言っても空しいと著者は悟る。
著者と同様に我々も、現代社会と文化を深く見直す必要があると感じた。