高血圧の9割は「脚」で下がる! (青春新書インテリジェンス) の感想

　前に「高血圧はほっとくのが一番」　（松本光正　講談社α新書）を読んだことが
ありますが、松本光正先生の主張は、一言で言うと、

「高血圧の人は、血圧を高くしなければならないことがからだの中で起こっているのである。
自分の命を守るためにからだはわざわざ血圧を上げてくれているのだから、血圧を薬で
下げるなんてとんでもないことである。ほっとけばいい。」

というものでした。これに比較するかたちで、当書の著者石原先生の主張を書くと、

「高血圧の人は、血圧を高くしなければならないことがからだの中で起こっているのである。
でも高血圧は放置すると脳卒中や心不全などの病気に結びつくので、血圧は下げた方がいい。」

「しかし、薬でむりやり下げるのは副作用のほうが大きいので、かわりに脚（下半身）の
筋肉を鍛えて血圧を下げればいい。」

ということになります。

　血圧を無理に降圧剤で下げると、脳や冠動脈での血流が悪くなって、脳梗塞、心筋梗塞を
おこしやすくなるし、がん発生も多くなり結局健康を害することになるという石原先生の
主張は

　「高血圧は薬で下げるな！」　　（浜六郎　角川Oneテーマ21)

の浜六郎先生ともだいたいおなじ意見です。

　石原先生によると、個々人の高血圧の要因は

　　　　１．塩分のとりすぎ
　　　　２．動脈硬化のすすみ具合
　　　　３．ストレス
　　　　４．水分のとりすぎ
　　　　５．下半身の筋肉の衰え

の複合したものであるとして、それぞれの要因ごとに、脚（下半身）の筋肉を鍛えることが
いかに有効であるかを説明します。人間の衰えは脚から来るといわれるように、このあたりの
説明はわかりやすく説得力があります。よく運動し、下半身の筋肉を鍛えることで高血圧が
防げるのであれば、これほど嬉しいことはありません。