具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ の感想

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参照データ

タイトル具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ
発売日販売日未定
製作者細谷 功
販売元dZERO(インプレス)
JANコード9784844376576
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 哲学

購入者の感想

プログラミング教育のために、オブジェクト指向の良い解説本を探していて本書を知りました。
読んでみて、良い意味で当てが外れました。

「抽象化」は、人間を人間たらしめる、知的生産活動を行う上で必須の能力です。
しかし、何事にも分かりやすさが求められる昨今、抽象的なものはとかく嫌われがちになっています。
本書は「抽象」の価値を「具体」との比較で分かりやすく解説する良書です。

本書の各章では様々なテーマが取り扱われていますが、何度も掲載される「具体と抽象のピラミッド」に全ての内容が帰着します。
そして、単に抽象度の高い思考をすればいいというわけではなく、「具体」と「抽象」を往復する思考によって
状況や相手に応じた、適切な抽象度を選択することが本当に重要なのであると結論づけられています。
この構成はすばらしいと感じました。

ページ数も少なく、各章に4コマ漫画も息抜きとしてあり、中高生でも読める内容です。
全ての人におすすめ出来ます。もちろん、オブジェクト指向を理解したい人にもおすすめです(笑)
他のレビュワーから、もっと抽象度を下げたタイトルの方が良いのではという指摘もありますが
本書の内容を考えると、私はこのタイトルが一番しっくりくるとな思いました(サブタイトルでフォローも入っていますし……)。

この本のタイトルを見て「あ、これ読みたい」とピンとくる人は
既に相当抽象度が高い人ではないでしょうか?

「抽象的に考えること」がどれだけ高尚な能力なのか?
「抽象と具体」について思考を巡らせることがどれだけ大切なのかが
について分かっている人だと思います。

わかりやすさ、みたままだけの言葉しか理解できない人、
どこかの本で「B層」と揶揄されていたような人には
このタイトルが魅力的に映らないかもしれません。

その理由は、まさにこの本に書いてあります。

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抽象の世界と具体の世界は、いわばマジックミラーで隔てられているようなものです。
上(抽象側)の世界が見えている人には下(具体側)の世界が見えるが、
具体レベルしか見えない人には上(抽象側)が見えないということです。
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ちなみに私がよく読んでいる苫米地英人氏は、
本が売れるように著書のタイトルの抽象度を下げているそうです。

例:君も年収一億円プレイヤーになれる

タイトルはそういう意味で抽象的すぎるのですが、
内容に関して、この本を手に取った人(取ることのできた人)
には素晴らしく良いことが書いてあると思います。

私らの日常には、意思疎通に齟齬によって
生まれる軋轢で溢れています。しかしそれらを
冷静に分析すると「具体」と「抽象」の意識レベルが
あっていないことに起因することがほとんどであることに気が付きます。

例えば、よくある会社員の愚痴をあげれば、

「個人のノルマはやたら具体的に数字を求めてくるくせに、
何故それに取り組むのか?については何の説明もなく、
それでは会社の方針はどうなっているかというと

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