単位が取れる力学ノート (KS単位が取れるシリーズ) の感想
参照データ
タイトル | 単位が取れる力学ノート (KS単位が取れるシリーズ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 橋元 淳一郎 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784061544512 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 物理学 » 一般 |
購入者の感想
イメージで物理現象を理解し、そのうえで基本的な計算公式に乗せる。というイメージ手法で高名な先生の著作です。
ただ、イメージで解きほぐす物理の学習は、残念ながら、この本では、失敗しているように思える。
つまり、微積を中心とした数学があまりにもルーズに使用されているために、これでは物理の厳密性が大きく損なわれると思われるから。
大学の一年次には、全国どこの理系学部でも、微積、ベクトル解析、フーリエ解析などを利用しながら、力学、電磁気、熱力学など、高校物理の学習内容の厳密な再構成をさせるが、大学初年では、数学と物理が相互に無関係に講義されることが多く、受講生は混乱しがち。そこのわだかまり・もやもやを解くのが本書の目的のようだ。
しかし、残念ながら、意図と記述に大きな乖離があり、成功していないと思う。
異論ある方は、どうぞ読んで、ご自分でご判断ください。
ただ、イメージで解きほぐす物理の学習は、残念ながら、この本では、失敗しているように思える。
つまり、微積を中心とした数学があまりにもルーズに使用されているために、これでは物理の厳密性が大きく損なわれると思われるから。
大学の一年次には、全国どこの理系学部でも、微積、ベクトル解析、フーリエ解析などを利用しながら、力学、電磁気、熱力学など、高校物理の学習内容の厳密な再構成をさせるが、大学初年では、数学と物理が相互に無関係に講義されることが多く、受講生は混乱しがち。そこのわだかまり・もやもやを解くのが本書の目的のようだ。
しかし、残念ながら、意図と記述に大きな乖離があり、成功していないと思う。
異論ある方は、どうぞ読んで、ご自分でご判断ください。
大学で比較的詳しく物理を勉強して数年が経ち、改めて物理を復習しようと思って本書を購入しました。
筆者も述べていますが、高校と大学の物理の違いは、定理・公式の導出の過程に重きを置いている点だと思います。そのため、ほとんどの物理入門書は、この伝統に従って、多くの式を用いて比較的厳密な理論を展開します。もちろん、このような厳密さによって養われる物理的な感性は、将来物理を勉強していく上で必要不可欠なものですが、一つ一つの式の意味に固執するあまり、物理の全体像が見えにくくなるという欠点があります。
本書は比較的平易に書かれており、それほど時間をかけずとも読み切ることができ、大学の力学ではどのようなことを学んでいくのか、という大略が分かるようになります。厳密さをはしょっているので枝葉に惑わされることもなく、といって、その厳密さは筆者が強調する「イメージすること」で定性的に理解させることに成功していると思います。
本書のもう一つのお薦めは、大学物理に必須な基礎概念が、問題という形でそこここにまぶされているところです。平易だからといって、決して一般の入門書と比べてレベルが下がっているというわけではなく、エッセンスがしっかり凝集されています。また例えば「万有引力の逆二乗則は、それが遠隔力ではなく近接力であるであることを想像させる」といった多面的な見方も載せています。ただ単位をとらせるだけの本であれば、絶対不必要なこれらの記述から、筆者が読者に物理の面白さを説きたいという意欲を痛感します。
本書を物理を勉強する上のガイドマップとして、必要であれば、他の成書で厳密な理論に入っていくのがいいと思います。
唯一、本書で欠点を挙げるとすれば、タイトルに偽りを感じる点です。本書だけでは、恐らく単位は取れないでしょう。ただ本書を読んだ後に改めて成書を学ばずとも、演習問題を数題解けば、必ず単位が取れると思います。
筆者も述べていますが、高校と大学の物理の違いは、定理・公式の導出の過程に重きを置いている点だと思います。そのため、ほとんどの物理入門書は、この伝統に従って、多くの式を用いて比較的厳密な理論を展開します。もちろん、このような厳密さによって養われる物理的な感性は、将来物理を勉強していく上で必要不可欠なものですが、一つ一つの式の意味に固執するあまり、物理の全体像が見えにくくなるという欠点があります。
本書は比較的平易に書かれており、それほど時間をかけずとも読み切ることができ、大学の力学ではどのようなことを学んでいくのか、という大略が分かるようになります。厳密さをはしょっているので枝葉に惑わされることもなく、といって、その厳密さは筆者が強調する「イメージすること」で定性的に理解させることに成功していると思います。
本書のもう一つのお薦めは、大学物理に必須な基礎概念が、問題という形でそこここにまぶされているところです。平易だからといって、決して一般の入門書と比べてレベルが下がっているというわけではなく、エッセンスがしっかり凝集されています。また例えば「万有引力の逆二乗則は、それが遠隔力ではなく近接力であるであることを想像させる」といった多面的な見方も載せています。ただ単位をとらせるだけの本であれば、絶対不必要なこれらの記述から、筆者が読者に物理の面白さを説きたいという意欲を痛感します。
本書を物理を勉強する上のガイドマップとして、必要であれば、他の成書で厳密な理論に入っていくのがいいと思います。
唯一、本書で欠点を挙げるとすれば、タイトルに偽りを感じる点です。本書だけでは、恐らく単位は取れないでしょう。ただ本書を読んだ後に改めて成書を学ばずとも、演習問題を数題解けば、必ず単位が取れると思います。