三国志〈1〉英傑雄飛の巻 の感想

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参照データ

タイトル三国志〈1〉英傑雄飛の巻
発売日販売日未定
販売元偕成社
JANコード9784037442606
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 中国文学

購入者の感想

 演義と正史の融合、地図や群雄の勢力図(!)、登場人物一人一人の人物絵や注釈など、国内三国志の集大成とも言える作品。ルビもしっかり振ってあり、初心者にもわかりやすい。
 全体地図や度量衡の表もあり、よくここまで作ったというぐらい懇切丁寧な作り。帯に「史上最強の三国志」とあるが、確かに最強と言える。
 初心者もだが、「三国志など読み尽くした」と言うマニアにこそ、この作品は読んで欲しい。
 たとえば丁原や陶謙の性格が正史と同じように悪党になってることや、演義では馴染みがないが(コーエーの三国志のゲームでは出てくる)「士燮(ししょう)」という人物のことが書かれてるなど、かなりマニア心をくすぐる。
 劉備も正史に合わせた性格で、あの演義で鼻にかかる偽善者ぶりはない。傭兵の部隊長としての強さ、相手に心を読ませないしたたかさなど、なかなか食えない奴になっている。
 曹操と夏侯惇の関係なども正史のようでいい。南船北馬という中国の南部と北部の違いもよく出ており、若き頃の周瑜と孫策、孫権の話もある。
 董卓が都に入ったときも、軍隊を何度も城に入れて実際の兵より多く見せたことや、執金吾である丁原の兵を取り込んで都の兵権を掌握したなど、正史に沿った内容で演義の疑問点が補完されている。
 あなたが三国志マニアなら、にやにやしながら読んでる自分に気付くはずだ。それぐらい細かい仕掛けが多い。
 戦闘シーンも部隊を挟撃したり指揮系統を乱して撹乱させたりなど、戦術レベルでの描写もあるので、戦場での臨場感がある。
 また外交時におけるお互いの駆け引きや心理描写も良い。どういう外交方針でいくか、誰と手を組むかなど、国の運命を決める外交の緊張感が味わえる。
 初心者にも、特にマニアにはお勧めの一冊。
 ルビ・地図・注・イラストでわかりやすいので、初心者は一気にマニアの知識を追い抜くことができるはず。特にマニアは読むべし!

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偕成社から発売された三国志〈1〉英傑雄飛の巻(JAN:9784037442606)の感想と評価
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