カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第5巻 生態学 (ブルーバックス) の感想
参照データ
タイトル | カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第5巻 生態学 (ブルーバックス) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | デイヴィッド・サダヴァ |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062578769 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 生物学 |
購入者の感想
野を歩き山に登った際に見る風景に私たちは親しみを持っています
その風景は様々な草木の繁茂や高度によるその変化であったりそこに住む動物たちであったりします
私たちが経験的に知っているこれらを本書の生態学という方法によって見ると
私たちの知識や常識などが時間的にも生活的にも大変に限られたものであることを感じます
本書の最後にカール・セーガン氏の言葉が引用されていて
「科学技術にもとづく文明」について「ほとんど誰も科学技術を知らなくてもすむ」ことが
警告のようにも助言のようにも響いてきます
それは本書を読了した後に読むからこそ響いてくるものであると思います
自然の景観の中に草や木があってそこに動物達が住んでいます
それを当たり前のことで不思議なことではないと思うことは
私たちの未来を失うことなるかも知れません
科学技術と生態学とを一対に併存させることでこれからの「民主主義」が支えられるのかも知れません
生物がどのような環境とその相互作用によって支えられて存在できるのかを
地球規模での視線からその時間的経緯と共に明らかにすることで
地球のエコシステムをより良く理解できます
本書は未来の経済を考える際にも重要な指針を与えてくれると思います
その風景は様々な草木の繁茂や高度によるその変化であったりそこに住む動物たちであったりします
私たちが経験的に知っているこれらを本書の生態学という方法によって見ると
私たちの知識や常識などが時間的にも生活的にも大変に限られたものであることを感じます
本書の最後にカール・セーガン氏の言葉が引用されていて
「科学技術にもとづく文明」について「ほとんど誰も科学技術を知らなくてもすむ」ことが
警告のようにも助言のようにも響いてきます
それは本書を読了した後に読むからこそ響いてくるものであると思います
自然の景観の中に草や木があってそこに動物達が住んでいます
それを当たり前のことで不思議なことではないと思うことは
私たちの未来を失うことなるかも知れません
科学技術と生態学とを一対に併存させることでこれからの「民主主義」が支えられるのかも知れません
生物がどのような環境とその相互作用によって支えられて存在できるのかを
地球規模での視線からその時間的経緯と共に明らかにすることで
地球のエコシステムをより良く理解できます
本書は未来の経済を考える際にも重要な指針を与えてくれると思います
「マクロな分野の生物学を」という要求に応えての「生態学篇」である。これまでのこのシリーズは400ページもあり分厚かったが,本書は238ページと他と比べてかなり薄い。とはいえ親本『LIFE』の章の要点だけを抽出し示している『PRINCIPLES OF LIFE』のプレゼンテーションはなかなか見事である。気温と降水量をひとつのグラフで示すワルター気候図の読み取り方(降水量の線が気温の線の上に来たら,陸生植物の生育の促進を示す)やそれを使った練習問題なども,冒頭からそう使うのかと目を開かされた。第24章「個体群」や第25章「種間相互作用」は日本の高校『生物』4単位の内容である。第25章の種間相互作用の「生態学的・進化論的意義」という視点も良い(ちなみに,親本の章題は「種間相互作用と共進化」である)。
意外なことに,高校『生物基礎』2単位の生態の章<植生やバイオーム>の単元で重視している「植生の遷移」と「極相」の話題はまったく取り扱われていない。親本の『LIFE』にはちゃんとある。高校の生物教科書は世界と日本の身近な植生に目を向けさせようという意図で自然地理と共通の内容を取り上げているのだと思われるが,本書では多様なバイオームを列挙するのは誌面が無駄,理論性に重きを置くということで扱われていないのだろう。
ひとつ問題になる訳語がある(訳者は医学者の石崎泰樹氏)。遷移を変化させる突然の環境変化を手偏に憂れうると書いて「ゆう乱」と読ませるのだろうが,元本の原語はdisturbanceと思われる。この用語の『生物学辞典』(岩波書店)の訳語は「攪乱」なのである。なぜ訳語を『生物学辞典』に準拠させないのか理解できない。
意外なことに,高校『生物基礎』2単位の生態の章<植生やバイオーム>の単元で重視している「植生の遷移」と「極相」の話題はまったく取り扱われていない。親本の『LIFE』にはちゃんとある。高校の生物教科書は世界と日本の身近な植生に目を向けさせようという意図で自然地理と共通の内容を取り上げているのだと思われるが,本書では多様なバイオームを列挙するのは誌面が無駄,理論性に重きを置くということで扱われていないのだろう。
ひとつ問題になる訳語がある(訳者は医学者の石崎泰樹氏)。遷移を変化させる突然の環境変化を手偏に憂れうると書いて「ゆう乱」と読ませるのだろうが,元本の原語はdisturbanceと思われる。この用語の『生物学辞典』(岩波書店)の訳語は「攪乱」なのである。なぜ訳語を『生物学辞典』に準拠させないのか理解できない。