謎の彼女X(1) の感想
参照データ
タイトル | 謎の彼女X(1) |
発売日 | 2012-09-28 |
製作者 | 植芝理一 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL |
購入者の感想
「ディスコミュニケーション」「夢使い」の植芝理一、ひさびさの新刊です。
ストーリーは相当に変わり者な彼女、卜部美琴に彼氏である椿明がふりまわされるというもので、男女の役割が逆転した「ディスコミ」みたいな印象です。最近は伝奇小説的な要素が強い作品を発表していたので、〈ねじけたラブコメ〉に原点回帰したといえるのかも。
「相手のよだれをなめる」という行為が物語の中心的なモチーフになっていることが示すように、植芝理一お得意の正しく変態なマンガになっていてファンとしてはうれしい限りです。また同時に、青春もの・恋愛ものとしては繊細かつ叙情的で「人を好きになること」「好きな人と日々をすごすこと」を正面からとりあげるストーリーは甘酸っぱくて、フェティッシュな要素とのミスマッチによって不思議な手触りをもつ物語になっています。
個性的な絵柄も大きな魅力のひとつです。現在のはやりからすると描きこみが多い重めの画風ですが、女の子はいびつなエロティックさをもっているし、宗教的なものとオタク的なものがおびただしいガジェットによって混在する世界(本作だと夢の風景が典型的)は一枚のイラストとしても奇妙な迫力をもっていて見惚れてしまいます。