テアトル・テアトル (CD+DVD) の感想

これは会心の出来！！

今作は、アルバムとミニアルバム合わせて通算５作目で、メジャーデビュー後初となるアルバムです。

元々の下地にある、歌謡曲＋バルカン・ジプシーブラス＋シャンソンに、「忘れかけてた物語」や「71億ピースのパズルゲーム」などフックのあるサビや展開が織り込まれた曲も増えていて、これまでより聞きやすくなっている印象。
さらに、チャランポ流デジタルファンク「ワーカホリック」や、彼女たちの血肉となっているカバー曲でありライブ時の重要曲「ムスタファ」や「愛の賛歌」など、今の彼女たちをフルパッケージした内容になってます。
（「ムスタファ」は前のアルバムにも収録されており、聞き比べても面白いです。テンポが上がっていることと、ボーカルの妹・ももちゃんの表現力の進化が分かります）

全体的に、ホーン隊も含めたブラスバンド編成のノリのいい曲が多めに配置され、合間に並ぶボーカル＋アコーディオンの姉妹＋ドラム＆バイオリン編成のスローテンポの曲で緩急をつけたような構成となっており、まさに「劇場」。
テレビやラジオでの姉妹は、ド派手な衣装着てブタ持ってたり毒舌だったりしますが（笑）、ただの色物じゃありません。
実はちゃんと実力のある色物です。

チャレンジングな曲調の「ワーカホリック」もアルバムに入れちゃうくらいだし、マネージメントの方もtwitterで『バンドは変わり続けていくもの』という趣旨の発言をしているので、今後どうなっていくのか非常に楽しみです。
（個人的には優れたカバー曲も多いので、次の次あたりでカバーアルバムも聞きたい）

既存のJ-POPやギターロックに飽きた方々は、一度聞いてみると面白いはずです。
聞きなれない拍子、展開やフレーズが満載ですから。
そして、ライブで見るともっともっと面白いですよ、この姉妹。

チャランポのライブに行くと3歳から60歳まであらゆる年代層の方が楽しんでいるのを見てとても感動しました。チャランポはそれだけ本物であり音楽的に凄い人たちなんだと思います。さて今回フランス語で劇場を意味するこのアルバムはそこで繰り広げられる喜悲劇を見せてくれています。そのすべての曲が彼女たちらしくてとても素敵です。またDVDもMVの他に5月におこなわれたグローブ座で収録された人気曲「さよなら遊園地」「おっぱいブギ」が入っていて素敵でした。チャランポが好きな人も、初めての人もぜひ聞いてみてください。そして楽しんでください