宝石の国(3) の感想

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参照データ

タイトル宝石の国(3)
発売日2014-08-22
製作者市川春子
販売元講談社
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL

購入者の感想

主人公のフォスは、新しい体を手に入れて強くなったというのに、以前よりも脆く、儚くなったように思えた。
それは恐れを知った彼が、そこから逃げ出すこともできず、自分を忘却することでしか日々を過ごせなくなったからだろう。

冬の孤独を映すように、フォスは闇の中でさらわれたアンタークの幻を見、春の兆しにほころぶ花を見て「怖い」とつぶやく。
2巻までに比べれば正直暗いし憂鬱な展開かもしれない。

けれど次の瞬間、「怖い」とつぶやいたフォスの目に合金の涙があふれ、黄金とプラチナでできた液体金属が朝日に照らされ、静かに頬を流れていく。

なんて美しいシーンなんだろうと思った。
この描写は、仲間が容赦なく殺される残酷な世界で、登場人物が宝石だからできる唯一のものではないだろうか。

仲間の宝石たちとワイワイやってる感じももちろん好きだ。
でもこの3巻は圧倒的に美しい。

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