ロバート・ライシュ 格差と民主主義 の感想

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参照データ

タイトルロバート・ライシュ 格差と民主主義
発売日販売日未定
製作者ロバート・B. ライシュ
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492444009
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学

購入者の感想

今流行のピケティと同様、「格差」について深く考えさせてくれる。

ピケティの「21世紀の資本」より2年近くも早く、格差が縮小した第二次世界大戦後数十年間の一時期は、経済史上むしろ特殊な時代であったこと、その後「通常」に戻って格差が拡大したここ数十年間に、格差が成長を阻害してきたこと、などを問題提起、それらが簡潔明瞭な経済指標で説明されて、わかりやすく気持ち良い。

ピケティと違うのは、格差が拡大した原因が経済ではなく政治にあるとした点だ。結局、資本主義で人々を幸せにするも不幸にするも、倫理観の高い社会を作るも低い社会を作るも、それは政治次第だと考えさせてくれる。

著者の言う格差を拡大した政治とは・・・ビッグマネーが議会を買収し、倒産しても庶民が払った税金で救済され多額の退職金を受け取る経営者、彼らは「リスクから無縁」な倫理観の崩壊した経営者だ、そして最大のプレイヤーだけが儲かる不正なシステムを構築したウォール街、政府の規制を骨抜きにする米国金融機関である。

そして、この格差と民主主義の危機を克服するのはやはり政治だ、それを動かすのは皆の「積極的な市民権の行使」であると展開する。そして、そこには具体的政策提言が、これもまた痛快簡潔な政策提言が本著内でなされている。特に「すべての金融取引に0.5%課税せよ」「選挙資金使途を完全開示せよ」(ロビー活動やPRの詳細まで)「(庶民からの)少額の政治献金には公的資金を付加せよ」、すべての企業に国家に忠誠を誓わせる宣誓書を提出される、など日本にも導入してほしい新しいアイディアの政策も提案されていて読後感爽快。また、政治要因中心の歴史分析をしてきた本著が、後段政策提言章に入るとピケティと同様、公共セクターによる富の分配政策が豊かさを取り戻す解なのだとの結論に達していることが興味深く、「この道しかない」のではないかと思わせる。

全体がリズム感のある歯切れのいいわかりやすい文章できれいに流れていて、一気に読み切りました。要所要所で要点がユーモアいっぱいの風刺画にまとめていてとても楽しめる著です。

2014年の衆院選挙が始まる。

アメリカの格差を説く。
それは日本の近未来の姿だ。

今民主主義は富裕層が回す金に牛耳られて、買収されている。
富の分配は極端にかたよる。
儲かるのは軍産複合体や、銀行や、巨大な製薬会社だけではない。
富裕層は税金を回避する方法を
金の力で民主主義に(議会に)成立させ、
そうした費用は国(つまり税金)につけ回す。

ひとはGDP を、指標にするが、それは間違っている。
国民の収入の中央値はどうなっているのか。
それが問題である。

公共のインフラが壊れようとしている。病院、教育、水道
富裕層は壊れても構わない。
水道の水なんかは使わない。施設もみな私営のものを高い金を払って使うからだ。

政府が大きいか、小さいかが問題ではない。
国民のために政治をする政府があるかどうかだ。

これはアメリカのことだが、日本のことでもあると思わざるをえない。

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