キャプテンサンダーボルト の感想

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参照データ

タイトルキャプテンサンダーボルト
発売日2014-11-28
製作者阿部 和重
販売元文藝春秋
JANコード登録されていません
カテゴリ » 洋書 » Subjects

購入者の感想

表題中の「サンダーボルト」とは金銭的に困窮している2人の主人公達が子供の頃熱心に観た「戦隊ヒーロー物」の事。内容はこの「サンダーボルト」を背景として、<蔵王のお釜>(五色沼)が感染源とされている「村上病」という(架空の)伝染病の謎に迫って行くという物語。一発逆転の人生を爽快に描こうとしたらしいが、様々な瑕疵があり、余り楽しめなかった。

まず、本作は3.11をキッカケに構想された由だが、それだけに、風評被害の怖さを知っている筈の作者達が(小説とは言え)実在する<蔵王のお釜>を感染源に設定する辺りの神経が理解出来ない。また、平気で人を殺す正体不明の国際的組織の謎の怪人との対決・逃避行の描写が粗雑過ぎる上に、「村上病」に関する謎が浅過ぎる(少しも錯綜していない)点が本作自身が子供向けの「戦隊ヒーロー物」という印象を強く抱かせる。その浅過ぎる謎に到達する過程も、犬やハプニングに頼った偶然が多過ぎて、作者達の"ご都合主義"を際立たせている。更に、"殺し合い"と言えば、「マリアビートル」で復活した筈の、軽妙な筆致で"殺し合い"を描く伊坂氏の冴えた手腕は雲散してしまって、重たい空気が流れるだけ(徒に登場人物達に冗談を吐かせているが、的外れなものばかりで、白けるだけ)。何のための共作なのか、これも理解不能だった。

国家的陰謀を扱っているという点では、伊坂氏「ゴールデン・スランバー」の二番煎じの出来損ないを想わせる。斬新さも緻密さもない稚拙な作品だと思った。

伊坂作品は何冊か読み、阿部作品は初めてです。
帯に引かれ買ってみました。

まずテンポが悪く読んでてイライラさせられます。大した話筋ではないのに長々と時間をかける文章。無駄が多すぎていつまで経っても話が盛り上がりません。

そして〜は〜した。〜は〜したと終始続く説明口調。軽薄なやり取り。もう少し想像を盛り立てる描写をして欲しかった。アクションシーンも興ざめします。
これらはどっちの作家の文章でしょうか。

この頁数でここまでスカスカな本も珍しい。二人分の原稿料を捻出するために無意味に頁を増したんでしょうね。そして薄っぺらい内容でも読者が払う金額は2倍ですね。

合作と訊き、どちらかに色を寄ている、もしくは互いに譲らず色が反発としあっているのでは、という不安がありましたが、杞憂に終わりました。
驚くほど二人の色を出しながら、それでいて自然に混じり合っています。
内容としては、問題に巻き込まれ、謎の男が現れ、危機に陥り、逃走しながら謎を解いていくという、まさに王道のエンターテインメントと言ったところでしょう。
お二人が映画好きということもあって、非常にアメリカのアクション映画のような展開が繰り広げられます。それに映画ファンにはにやにやしてしまうシーンがあり、例えば五色沼の秘密が紐解かれた時は「○○のあのシーンだな」と読んでいて懐かしくなりました。

エンターテインメントで言えば、アメリカの十八番のようなところもありますが、日本にも上質なエンターテインメントを届けてくれる作家達がいるのだな、と再確認させてくれた一冊です。

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