世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール ハイパフォーマー集団が大切にする3つの仕事力 の感想

普段あまり読まない手の本だったが、購入。

以下気づき。

・ハイパフォーマーの要素
　　1従来の成功や業界の垣根にしばられず、新しい価値観や枠組みに従って構想し、
　　2その実現にあたっては、多様な価値観を持つ人財や組織と協働しながら、
　　3構想を構想のままで熟考するのではなく、素早くプロトタイプをつくって、市場に投入し、顧客の声をもとに作りこんで完成度を高めていく。

・ハイパフォーマーに必要な３つの要素
　　1未来を描く「構想力」
　　2多様な人財を活かせる「人間関係構築力」
　　3成果を出すまでやりきる「実行貫徹力」
　⇒周囲のメンバーに鮮明な将来像を示せているか？

・最近のＭＢＡのプログラムでも注目されているのが、knowing、doingだけでなく、being。
　どうあるべきか。
　何を成し遂げるかではなく、どういう人になるか、であり、何かを成し遂げるというのは、そうした人間になるための手段でしかない。

・ビジネスは自分の存在が相手にとって利用価値があるからこそ、成り立つ。
　→自分が相手に与えられる価値は何なのかを、自分自身ではっきりつかんでおく必要がある。

・誰かが困っているときに積極的に手助けすることで、いざという時に助けてもらえる人間関係が構築できる。
　⇒時間があるときは、どんどん手伝おう。

・鬼十則
　⇒なにかに使えないか・・・。

・月次の振り返り
　今月はどんな月だったか？どうしてそう思うか？
　今月実現できた大切なこと、意味のある行動は何だったか？
　今月実現できなかった大切なこと、やればよかった行動は何か？
　来月は何にチャレンジするか？逆に何をやらないようにするか？
　来月はどんな月にしたいのか？
　⇒やらないことを決める、という視点はなかった。

・成長は複利。
　２０％のダウンは、２０％の頑張りでは、９６にしかならない。

誰でもハイパフォーマーになれる、と筆者は説く。
そのための“レシピ集”という趣の一冊。

コンサルタント集団において暗黙裡に共有されている価値観や成長のための基本動作が、分かりやすく言語化されているのがいい。
この手の本からは1つでも気づきにつながる要素があれば儲けものだと思っているが、個人的には気になるメッセージや考え方が複数あった。

・「長」で満足せず「者」を目指せ
・自分にとっての「シルバーブレット（銀の銃弾）」を持て
・異質な人材を束ねるには「油絵」でなく「水彩画」的コミュニケーションが効果的

等々。コンサルならではの、思わず話の続きが聞きたくなる“ワーディング術”を学ぶというのも隠れた楽しみ方か。

あと、本の各所に散りばめられている小ネタも面白い。例えば、松岡修造は現役時代、テニスにおける決断力を鍛えるために、レストランでメニューを3秒で決めるよう訓練していたらしい。よし、まずは外しても被害のそう大きくない今日のランチで実践してみよう。