財務会計講義(第14版) の感想

桜井久勝という先生は神戸大学の助教授の時代に「会計利益情報の有用性」という大著を書かれて日経の経済図書文化賞を受賞されて一躍有名になった方である。証券業にちょっとかかわっていた僕も結構真面目に読んだ。その最先端を走っておられた先生が後進のために書き表わしたのがこの本で版を重ねて１４版になる。１９９４年に初版が出ていてそれから会計は激変してきている（まだ変わる）。変わる都度丁寧に更新されてきている。御大武田隆二教授が亡くなったのでこういう作業を続けられるのは桜井教授の手にバトンタッチされたかのようである。実に丁寧に網羅されているが完全とまでいかない。未だの部分は次の版に委ねられるということだろう。
ただ初心者にはこの本１冊で完全理解というわけにはいかない時代になってきている。全体を網羅的にある水準の知識を得るという目的には最適の書物であるが詳細は各自興味ある各論の専門書が必要だと思う。