現代臨床精神医学 の感想

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参照データ

タイトル現代臨床精神医学
発売日販売日未定
製作者大熊 輝雄
販売元金原出版
JANコード9784307150675
カテゴリ » ジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 精神医学

購入者の感想

今回の改訂版の編者である東大の笠井教授と同年代の精神科医です。今回は大熊先生が亡くなる直前に、笠井教授に改訂を託されたとのことで、ちょっと期待して読みました。いつも改訂版を楽しみにして購入し、臨床の助けとして用いているからです。私と同年代の笠井先生がどのような改訂をなさるのか、期待してもいたからです。ただ、その期待は裏切られたとしかいいようがありません。現代の精神医療の社会問題化と全くといっていいほど、向き合っていないからです。読売新聞が反精神医療のキャンペーンをやっていますが、言葉で心をいやすことができず、薬ばかり処方する精神医療、といった悪口に対してこの教科書では全く対応できないでしょう。薬物療法以上に治療の大きな柱といえる精神療法に割かれたページ数は全巻600ページ足らずの大著の中で、わずかに5ページ、これには驚かされます。もともとこの教科書にはそういった傾向があるのですが、精神医療の社会問題化に精神科医がしっかりと向き合わなければならない状況になりつつあるなかで、この改訂とは。さらに言えば、改訂委員会とやらの東大卒中心の人選にも全く納得がいきません。東大の出身者が真に患者にためになっている臨床家ばかりとは限らないのですから。大変申し訳ないのですが、今回のこの教科書の出来栄えを見ても頭でっかちな知識中心で実際の患者さんと向き合っている泥臭さは伝わってこない印象があります。もっとも、教科書というのはそういうものだと言われればそれまでですが、同様の精神医学の教科書と比較すると、「標準精神医学」の方が若干の工夫があります。おそらく優秀ではあるものの、まだ若き笠井先生は東大の先輩の方々に気を使われすぎたのでしょうか。しかし、もともと大熊先生が心血を注がれた本であり、全体的には最新の知見に富むという点で優れた教科書なので、★は3とします。しっかりしろ!笠井!

うつや統合失調の本を何冊か読みましたが、どうもすっきり理解しきれないでいました。基本的な知識が欠けたままで、流行書や解説本、経験談のようなものばかりでは、やはりダメだなと言う感じです。この本は『比較的小型の教科書』と書かれていますが、結構ボリュームがあり、価格も相応です。しかし、内容はコンパクトで、辞書の代わり、良き解説者として、非常にバランスのとれた情報を提供してくれます。医学の専門の教育を受けたことがない人が、精神医学の解説書や治療法を調べるときには、この本を座右に置いて、参照しながら見るのに最高です。なお、辞書代わりにする場合でも、147ページまでは最初に通読し、29ページまでは何回か読んだ方が良いと思います。
企業、学校、行政関連など、メンタルヘルスについて何か話題があがるところでは、是非1冊常備されると良いと思います。
これまで3冊以上メンタルの本を開いたことのある人は、この本を是非手にしてください。1冊で10冊以上の大きな効果があります。

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