Alice Doesn't: Feminism, Semiotics, Cinema の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルAlice Doesn't: Feminism, Semiotics, Cinema
発売日販売日未定
製作者Teresa De Lauretis
販売元Indiana Univ Pr
JANコード9780253203168
カテゴリ » 洋書 » Special Features » all foreign books

購入者の感想

もう二十年以上も前(1984年)に出た本なのに、まったく古びていない。逆にジュディス・バトラーの『ジェンダー・トラブル』の登場により、本書の先進性がくっきりと浮かび上がったに違いない。何しろ80年代にすでにバトラー的言説を繰り広げていたのだから。
本書は副題からも判るとおり、フェミニズムと記号論をベースに映画を含む現代の芸術文化を分析した書物である。ほとんどが理論的展開に費やされており、具体的な作品論はあまりない。それもマイケル・スノーの_Presents_(1981)やニコラス・ローグの『ジェラシー』(どちらも私は未見)など、あまり知られていない作品の分析である。だが見たことのない作品でも十分理解できるように作品を論じており、その意味で筆力は素晴らしい。
それ以上に、本書ではすでにバトラーを先取りしたような「ジェンダーの構築性」も理論化されている。また本書の白眉は、ローラ・マルヴィの「視覚的快楽」論から発展させた「視覚的欲望/快楽の二重性」を論じた第五章「語りにおける欲望」である。とにかくほんのわずかな言及だけでも、その映画の本質に鋭く切り込む著者の鋭角的な議論を、早く日本語で読みたいものだ。

あなたの感想と評価

コメント欄

Alice Doesn't: Feminism, Semiotics, Cinema

アマゾンで購入する
Indiana Univ Prから発売されたTeresa De LauretisのAlice Doesn't: Feminism, Semiotics, Cinema(JAN:9780253203168)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.