レビー小体型認知症 即効治療マニュアル (改訂版) の感想

今現在、日本国内にレヴィー小体病に関する総説や論文は多数あるが、神経内科専門医（臨床がメインで患者さんを診るのが大好きな医師です。）からみていままでいつもガッカリさせられる本ばかりでした。要するに、症状の記述も重みずけが全然なっていない総説ばかりで、病態生理までは記載されているのですが、最も肝心な治療の部分がなぜが腑抜けの総説、論文ばかりで、おおよそ納得のいく記載の論文には今まで医師として２０年近くやってきておりますが、であったことがありませんでした。それが、今回の河野先生の本を読んで、ようやく「ガッテンのいく」、「腑に落ちる」書籍に出会いました。特に治療の面での記述は本当に素晴らしいの一言です。つい先日エーザイが、レヴィー小体病にアリセプトが保険適応なるように試験中との記事を医療系サイトで見ましたが、私には利益相反の面で、怪しい匂いがしてなりません。河野先生が孤軍奮闘で、このような素晴らしい書籍を世に出されることに対し心より敬服いたします。日本国内の内科医の先生で、患者さん思いの先生、臨床志向の先生方は是非この本はおすすめです。私は結構たいていの医学書には辛口に批評するタイプですが、この本に関しては、（枝葉末節は抜きにして）エクセレントな本だと思います。ぜひともご購入をおすすめいたします。