わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて。―児童労働者とよばれる2億1800万人の子どもたち の感想

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タイトルわたし8歳、カカオ畑で働きつづけて。―児童労働者とよばれる2億1800万人の子どもたち
発売日販売日未定
製作者岩附 由香
販売元合同出版
JANコード9784772604017
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

全世界で発展途上国を中心に2億1,800万人いるという児童労働者について分かり易く解説する。

日本では義務教育が守られており、また児童を働かせることは法律で禁止されているので基本的に若年層の児童労働という問題は聞こえない。
しかし、世界的には2億人を超える児童労働者がいて、多くの問題となっている現状がある。
何故子供が働かなければならないのか?という疑問に対する一番単純な回答は「貧困」である。
それも日本のような相対的な貧困ではなく、1日を1ドル未満の食費で過ごさねばならないような「絶対的貧困」である。要は働かなければ生きていくことも出来ないから働くしかない。そういうことだ。
けれど、本来なら子供の仕事は「学校に通学して勉強すること」のはずである。
それが出来ないほどの貧困は社会的な構造自体に問題があるケースが多く、解決は一筋縄ではいかない。
法律はあっても守られなければ意味は無く、違法行為は日常茶飯事。そもそも法律自体が認識されていない。
子供たちが食べていくために働かなければならない現実に「それを搾取しようとする大人が群がる」。
食事を満足に与えなかったり、重労働や危険な仕事をやらせたり健康被害は子供の寿命を縮める。
また貧しい子供の親も貧しいという所謂「貧困が次世代へと連鎖している」現実があるため、それを断ち切る手段を講じないと永久に解決が出来ないだろう。
また、性的な対象となりエイズなどに罹患する危険も大きい。
チョコレートの原料に当たるカカオがアフリカの子供たちの児童労働によって供給されていたという周知の事実がある。
消費するのはアメリカ・日本を代表とする先進国の人々であり、買い付けるのは先進国の企業だ。
そういった大企業の利益が途上国の子供たちの重労働に支えられているということは、それを口にしている私たちは途上国の子供たちの命を口に入れているといっていい。
要は先進国の利益の為に途上国の資源を安く買い叩くようなことをすることは鬼畜にも劣る所業だということだ。

 児童労働に賛成する人はいないだろうし、それを条約や法律で世界的にも禁止しているが、自分が使っている品物が、それを介して商品化されているかどうかに関心を持つ人はまだまだ少数だろう。
 子ども兵や売春同様、苦しんでいる子どもは世界中に沢山いる。   その子どもたちを救うには、わたしたちが消費者として、児童労働製品を買わなかったり、フェアトレードマーク付等の商品を選ぶ以外に、先ず本書で実態を知り、子どもを学校に行かせる援助をNGOに対する寄付で求め、ODAの使途を変換させるよう、行政や政治家に働きかける方法がある。

 日本のODAは、その多くがヒモ付きで、日本企業に利益が戻るような仕組みになっているので、そうではなく、先進22国中17位と低レベルの教育プログラム援助を、増やさなければならない。
 子どもだけではなく、過酷や悲惨な労働条件で働かざるを得ない大人や、廃棄物放置の製造現場を取り巻く環境を変化させるのも、政府に働きかけるのは個人としては難しいが、消費者としてのわたしたちの商品選択の力であり、一人一人では小さいが、それは大きな力となることを知り、グリーンコンシューマーが一人でも増えるためにも、広く読まれるべき本です。

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合同出版から発売された岩附 由香のわたし8歳、カカオ畑で働きつづけて。―児童労働者とよばれる2億1800万人の子どもたち(JAN:9784772604017)の感想と評価
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