かぐや姫の物語 [DVD] の感想

一年前、映画館で見終った後、明るくなってもしばらく涙が止まらなかったことを覚えています。
迷わず購入いたしました。

見る人によって、もちろん様々な感想がおありだと思いますが、僕はこれまで見てきた映画で最高の作品になりました。
どのカットも繊細で柔らかなタッチで描かれ、生き物の躍動感が感じられます。
音楽も、伸び伸びとした曲、悲しい曲、琴の音色、どれも素晴らしかったです。

幼少期の愛らしさ、翁と媼の姫への深い愛情、それから、次第にかぐや姫の心が変化していく様子。
心が引き裂かれるような、あの月を背景に駆けるシーン。
幸せとは何なのか、生きるということはどういうことなのか。心が揺さぶられます。

物やお金や官位などに惑わされる人たちを滑稽に描きつつ、見ている自分自身も考えさせられます。
この人生で本当に大切なものは何か。本当に、今、僕たちは生きていると言えるのか。

でも、かぐや姫は最後のシーンで「この世は穢れてなどいない」と言います。
ひとりひとりが授かったいのちの尊さ。
生きているということが素晴らしいのだと。

僕はそう感じました。