Revisedハイパーウェポン2013S飛ぶ理由 の感想

飛ばない物が飛ぶ理由。

小林誠さんはちょっと変わったクリエイターである。
プロダクションデザインやメカデザイン、模型、イラスト、漫画、多岐に渡る活動をされている。

本書は飛行機模型雑誌に連載中の「飛ぶ理由」を収録しつつ、作り起し新作もありつつの一冊。

宇宙人が地球を分析しているが、どうも架空と史実がごっちゃになっている模様、
著者曰く「勘違い人類歴史の本」という不思議な本。
模型とストーリーとちょっとした解説、というと不思議さが伝わらないと思う。

毎回斬新なシルエットの模型が出てきて、その飛ぶ理由が凄い。
例えれば「意志の力」で飛んじゃったりするし、戦艦に翼がついているし、
鯨は飛ぶし、無茶苦茶さ加減がどうにもちょうどいい。

冷静に考えると「おい、待てよ」と突っ込みたくなることを真面目くさって解説する文章の妙、
架空世界がリンクしていく酩酊感、ふざけるのも大概にしろよっというギリギリアウトの領域。
なのに肝心の模型がイカす、どうみてもカッコいい。

作り起しの摩耶やマーラー・グスタフもここでしか見られない。
メインの記事も掲載時より増量されていたり、変更が多いので連載を読んでいた人にもサービス満点。

おふざけ満載なのにかっこいいから許す！！という気持ちになるのは仕方ない。

遊び心に溢れていて小さな文字はびっくり箱の様に仕掛けが沢山。

読んでも読んでも終わらない、スルメ的作品集。

また、Revisedと先に出た初版の違いとしては
カバー見返し、奥付、裏表紙のイラストが異なる。
飛ぶ理由13,15,16回が収録されている点（実写ページはなし）
（ゲストのページ+αが丸々差し替えになっている）

表紙を見て、ピンときたら買って得するおススメの一冊。

読んで気に入ったら、ハイパーウェポンシリーズをぽちっと！&　スケールアヴィエーションにて続きを連載中なのでこっちもチェック。