ノスタルジア [Blu-ray] の感想
参照データ
タイトル | ノスタルジア [Blu-ray] |
発売日 | 2015-03-06 |
監督 | アンドレイ・タルコフスキー |
出演 | オレーグ・ヤンコフスキー |
販売元 | KADOKAWA / 角川書店 |
JANコード | 4988111147592 |
カテゴリ | DVD » ジャンル別 » 外国映画 » ドラマ |
購入者の感想
劇場で見てからもう随分と月日が経ってしまいました。
主人公の徹底した孤独感を感じさせる人物描写に 惹かれ、
自分の同じような記憶を辿ったりしました。
DVDも購入しましたが、ほぼリアルタイムで見た記憶を 大切にしたい作品です。
何度も見るとつまらなくなるかもしれませんね。
劇中の水のしたたりや風に揺れる蝋燭の火や 風の響きは、タルコフスキー作品のお約束で、
自分の幼い頃の記憶と重なり合います。
主人公の徹底した孤独感を感じさせる人物描写に 惹かれ、
自分の同じような記憶を辿ったりしました。
DVDも購入しましたが、ほぼリアルタイムで見た記憶を 大切にしたい作品です。
何度も見るとつまらなくなるかもしれませんね。
劇中の水のしたたりや風に揺れる蝋燭の火や 風の響きは、タルコフスキー作品のお約束で、
自分の幼い頃の記憶と重なり合います。
静かな感動が伝わる映画です。何より、画質と音質が極限といえるまでに復元されています。おそらく、この映画にはこれらは不可欠な条件に思われます。カラーのイタリアの風景と、モノクロのロシアの光景が美しくなければいけないので。それほど難解でもなく、彼の入門編としてもお奨めできます。おやと思われる字幕があったり(許容範囲かな)、ケースの裏のデザインが見にくかったり、値段が高価なのが減点の対象です。
タルコフスキーが言っていることで興味深いのは、
「映画においては、説明は必要ではないのだ。そうではなく、直接的に感情に作用を及ぼさなくてはならないのだ。こうして呼び覚される感情こそが思考を前進させるのである」という言葉。
タルコフスキーの書いたものを読むと、実に内省的、宗教的な、本物の芸術家の声を聴くような深さと、それゆえの深刻さとを感じる。
それは時に悲劇的にも思われ、彼の精神の内部に関わるのはとても重苦しいような、敬遠したいような気持ちにも襲われるかも知れない。
「ノスタルジア」という映画の語源は、ロシアでは、病に近い望郷の念を言うようで、タルコフスキーによれば「死に至る病」となるようである。
この映画と「惑星ソラリス」や「ストーカー」、この3本が最も印象にあるのだが、そのどれもがその--ノスタルジア--を語っているように思う。
それは彼の言うように、説明されえない、時にあまりに個人的、内宇宙的な、世界への宗教的な想いであったり、修行僧の懺悔のような告白のようであったりする。
「ノスタルジア」の、観客まで息苦しくなってくるような緊迫した長い凝視を要求する映像で描かれる、登場人物の世界を救済するという個人的な儀式・・。
模倣しようとすればきっと恥ずかしくなる、その驚くべき映像の内的必然性から生まれる独自性。
彼の最後の作品の題名が、彼の内面の内へも外へも、彼の精神の運動のすべてを言い表わしているような気がする。
それは「サクリファイス」、犠牲という言葉である。
タルコフスキーを想うと、むかしむかし、西洋の厳格な修行僧が同時に求道的な芸術家であったような時代の、そういう時代に存在したかのような男のシルエットが浮かんでくる。
「映画においては、説明は必要ではないのだ。そうではなく、直接的に感情に作用を及ぼさなくてはならないのだ。こうして呼び覚される感情こそが思考を前進させるのである」という言葉。
タルコフスキーの書いたものを読むと、実に内省的、宗教的な、本物の芸術家の声を聴くような深さと、それゆえの深刻さとを感じる。
それは時に悲劇的にも思われ、彼の精神の内部に関わるのはとても重苦しいような、敬遠したいような気持ちにも襲われるかも知れない。
「ノスタルジア」という映画の語源は、ロシアでは、病に近い望郷の念を言うようで、タルコフスキーによれば「死に至る病」となるようである。
この映画と「惑星ソラリス」や「ストーカー」、この3本が最も印象にあるのだが、そのどれもがその--ノスタルジア--を語っているように思う。
それは彼の言うように、説明されえない、時にあまりに個人的、内宇宙的な、世界への宗教的な想いであったり、修行僧の懺悔のような告白のようであったりする。
「ノスタルジア」の、観客まで息苦しくなってくるような緊迫した長い凝視を要求する映像で描かれる、登場人物の世界を救済するという個人的な儀式・・。
模倣しようとすればきっと恥ずかしくなる、その驚くべき映像の内的必然性から生まれる独自性。
彼の最後の作品の題名が、彼の内面の内へも外へも、彼の精神の運動のすべてを言い表わしているような気がする。
それは「サクリファイス」、犠牲という言葉である。
タルコフスキーを想うと、むかしむかし、西洋の厳格な修行僧が同時に求道的な芸術家であったような時代の、そういう時代に存在したかのような男のシルエットが浮かんでくる。
1984年の公開時に、六本木「シネ・ヴィヴァン」で見た、圧倒的な映画体験。
映画館のスクリーンに映し出されるタルコフスキーの映像。
包まれる音響、流れる時間。
水たまりを映しているだけなのに、自分が何を見ているのかわからなくなる。
スクリーンが網膜になってしまう不思議。
それ以来、「あなたのなかで、ベスト・ムーヴィーは何ですか?」という話になると、
迷うことなく「タルコフスキーの『ノスタルジア』です」と答えるようになった。
しかし、残念ながら、このDVDは状態がよくない。
タルコフスキーの映画は、ある種の透明性がいのちのような作品なのだが、
前半、特に導入部あたり、画像全体がくぐもった印象で、映画が持っていた衝撃、驚きが、
まったく味わえない。逆に後半は、妙に明るく、神秘性が感じられない。
作品自体は文句なく最高評価だが、DVD製品としては、パッケージデザインも含めて、
満足できるものではなかった。最良の状態での再発売を期待します。
映画館のスクリーンに映し出されるタルコフスキーの映像。
包まれる音響、流れる時間。
水たまりを映しているだけなのに、自分が何を見ているのかわからなくなる。
スクリーンが網膜になってしまう不思議。
それ以来、「あなたのなかで、ベスト・ムーヴィーは何ですか?」という話になると、
迷うことなく「タルコフスキーの『ノスタルジア』です」と答えるようになった。
しかし、残念ながら、このDVDは状態がよくない。
タルコフスキーの映画は、ある種の透明性がいのちのような作品なのだが、
前半、特に導入部あたり、画像全体がくぐもった印象で、映画が持っていた衝撃、驚きが、
まったく味わえない。逆に後半は、妙に明るく、神秘性が感じられない。
作品自体は文句なく最高評価だが、DVD製品としては、パッケージデザインも含めて、
満足できるものではなかった。最良の状態での再発売を期待します。
ブルーレイ化!。…パソコンの前で‘おおっ出るっ’とか声を出てしまった…。
私は旧DVD版を所有している…けど、それでもやっぱり待ちかねていましたから。
(それに『ストーカー』のほうが先にブルーレイ化すると思っていましたから…ホントビックリ)
旧DVD版は画質についていろいろ言われています。
…まあ、確かにそれほど良くないかも…。
しかし…私としては色調も気になります。私が初めて観たVHS版は確かもっと青が強かった…。旧DVD版は(比較すると)緑が強いように見えます。どちらがより正しいのだろう…。イヤッ、ひょっとしてもっと別な姿なのだろうか…。
結局…私の場合本作をスクリーンで観たことがない…のでキチンとジャッジできないかもしれませんが。
(タルコフスキー作品に限らないけれど…、映画はスクリーンで観ないと判らないことが沢山判ると思う)
とにかくブルーレイ発売。まずはめでたいです。本作について新しい感覚を得ることが出来るかもしれません。ジャケットデザインもなかなかだし、3月が楽しみです。
…あと、『サクリファイス』と『ストーカー』もブルーレイ化も待ってます。そっちの方もよろしくお願いします。
(購入後に旧DVD版との比較を追記します)
私は旧DVD版を所有している…けど、それでもやっぱり待ちかねていましたから。
(それに『ストーカー』のほうが先にブルーレイ化すると思っていましたから…ホントビックリ)
旧DVD版は画質についていろいろ言われています。
…まあ、確かにそれほど良くないかも…。
しかし…私としては色調も気になります。私が初めて観たVHS版は確かもっと青が強かった…。旧DVD版は(比較すると)緑が強いように見えます。どちらがより正しいのだろう…。イヤッ、ひょっとしてもっと別な姿なのだろうか…。
結局…私の場合本作をスクリーンで観たことがない…のでキチンとジャッジできないかもしれませんが。
(タルコフスキー作品に限らないけれど…、映画はスクリーンで観ないと判らないことが沢山判ると思う)
とにかくブルーレイ発売。まずはめでたいです。本作について新しい感覚を得ることが出来るかもしれません。ジャケットデザインもなかなかだし、3月が楽しみです。
…あと、『サクリファイス』と『ストーカー』もブルーレイ化も待ってます。そっちの方もよろしくお願いします。
(購入後に旧DVD版との比較を追記します)