Sons and Lovers (Wordsworth Classics) の感想

Sons and Lovers は、D.H.ロレンスの自伝的長編小説である。
中流階級の母、ガートルートと、下層階級で炭鉱夫のウォルターの身分の違った結婚からこの話がはじまる。結婚生活の始めの頃は、お互い仲が良かったのだが、時が経つにつれて、身分の違いから来るズレも助長してすれ違いが始まった。更に、２人の息子と１人の娘が生まれてからは、ガートルートは、特に息子たちを異常なほどに愛するようになる。それは母性からのものではなく、息子たちに、自分が得ることの出来なかった「恋愛」としての愛をぶつけていったものである。自分の夫とは違う教養のある人間に育てたいという願いもあった。そんな愛情の中で育った兄、ウィリアム、弟、ポールは、大人になっても母の影響に侵されていて、本当の恋人を、肉体だけであって、精神的にすべてを愛することが出来なくなっていた。
やがてウィリアムにある不幸が起きて、母の愛情はポールにだけ注がれるようになる。そしてポールは自分の恋人を愛せないことを自覚して、別れてしまう。
そんな状況の中で、母親も病気のために亡くなってしまう。
恋人も母親も失ったポールはこれから如何にして生きていくのか・・・。
・・・字が小さく、420ページもありますが考えさせられる作品です。
1900年代の作品なので、読むのが困難かもしれませんが、是非読んでみて下さい。女性の方にとって特に興味深い作品だとおもいます。