甦る上杉慎吉 天皇主権説という名の亡霊 の感想
参照データ
タイトル | 甦る上杉慎吉 天皇主権説という名の亡霊 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 原田 武夫 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062191760 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » イデオロギー |
購入者の感想
おもしろい議論である。これから、首都機能移転等を含めて日本における天皇家のあり方が問題になるのは、たしかであろう。しかし、原田氏が言うように、「上杉慎吉氏が主張したように相関連続する新しい天皇制が現在の日本で構築できる」とは、とても思えない。
また、「その卓越した能力をもって全体の気持ちを常に察し、そのために行動することのできること」を、天皇という一人の人間に期待するのは、どう考えても幻想であろう。
戦前、2.26事件の青年将校たちは、まさに天皇にそのような期待をして蹶起し、ある意味、天皇その人に裏切られたのではないか。「2.26事件の偽史を撃つ」という本の著者である老右翼の山口富永(ひさなが)氏も昭和19年に陸軍に入隊する際に、真崎甚三郎大将を訪ねて聞いた。「いま日本に天皇陛下はおられるのでしょうか?」それに真崎大将は「2・26の将校もそれを嘆いて死んでいった」と答えたエピソードを紹介している。
たしかに、現在の民主主義はとても機能しているとは思えない。原田氏の言う通り、衆愚政治だろう。しかしながら、そのことも元々、本当にこの国を動かしている米国や、それに追随して既得権益保持に努めている日本のエリートが意図してやっていることではないか。
「心理戦」だか、「プロパガンダ戦略」か、知らないが、多くの人を衆愚のままにしておきたい。その意図のもとに、現在の教育、マスコミも動かされている一面があることは、少しものを考える人であれば、否定できまい。そういったことを指摘しないで、いきなり、天皇という存在にすべてを期待する天皇論を現代に持ち出してくる展開には、ついていけない読者もいるのではないだろうか。
マスメディア、教育のコントロール力が落ち、不正選挙まで指摘されている現状を考えれば、実際には現在、民主主義は、機能停止していると言っても過言ではない。
逆に考えれば、そのようにコントロールしてもこの程度の政治しか行われていないということは、現在のエリートそのものが、すでに時代対応能力そのものを失っている証拠だと考えるべきではないか。
また、「その卓越した能力をもって全体の気持ちを常に察し、そのために行動することのできること」を、天皇という一人の人間に期待するのは、どう考えても幻想であろう。
戦前、2.26事件の青年将校たちは、まさに天皇にそのような期待をして蹶起し、ある意味、天皇その人に裏切られたのではないか。「2.26事件の偽史を撃つ」という本の著者である老右翼の山口富永(ひさなが)氏も昭和19年に陸軍に入隊する際に、真崎甚三郎大将を訪ねて聞いた。「いま日本に天皇陛下はおられるのでしょうか?」それに真崎大将は「2・26の将校もそれを嘆いて死んでいった」と答えたエピソードを紹介している。
たしかに、現在の民主主義はとても機能しているとは思えない。原田氏の言う通り、衆愚政治だろう。しかしながら、そのことも元々、本当にこの国を動かしている米国や、それに追随して既得権益保持に努めている日本のエリートが意図してやっていることではないか。
「心理戦」だか、「プロパガンダ戦略」か、知らないが、多くの人を衆愚のままにしておきたい。その意図のもとに、現在の教育、マスコミも動かされている一面があることは、少しものを考える人であれば、否定できまい。そういったことを指摘しないで、いきなり、天皇という存在にすべてを期待する天皇論を現代に持ち出してくる展開には、ついていけない読者もいるのではないだろうか。
マスメディア、教育のコントロール力が落ち、不正選挙まで指摘されている現状を考えれば、実際には現在、民主主義は、機能停止していると言っても過言ではない。
逆に考えれば、そのようにコントロールしてもこの程度の政治しか行われていないということは、現在のエリートそのものが、すでに時代対応能力そのものを失っている証拠だと考えるべきではないか。