花束デザイン図鑑300 の感想

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日常ではなかなか「花束」を渡したり、頂いたりすることはありません。たまたま先日ある大きなイベントで「花束」を貰った若い女性が感激していたのを目の当たりにして、「花束」の持つ効用にあらためて見知った思いです。

本書は、実に素敵な「花束」が300点掲載してありました。１ページに1つの花束が紹介してあり、美しい写真がページの3/4位を占めていました。
ラウンド、バリエーション、ミニブーケ、一本巻きという大きなジャンルに分けられてあり、それぞれの花束に対して、特徴、カラー、メイン花材(野菜も含まれます)、制作者名が記してあり、花材の構成が詳細に記してあります。

実際に花束を扱う方にとって、ブーケやラッピングの参考になるのは間違いありません。「100人以上のトップフローリストによる」ということですので、多くのフラワーデザイナーの方の英知と感性が花束に詰まっていました。

例えば、番号127「音楽家の年配の男性に」という花束を紹介しますと、「ピアニストや指揮者など、50代の男性音楽家の演奏会に贈るシーンを想定して制作」と書かれていました。このように細かい対象指定がこだわりを感じさせます。

122「レースの色と質感に合わせたナチュラルブーケ」なども贈られた方は喜ぶでしょうね。
また、64「THE 実もの!」という洒落たタイトルのブーケは、実ものをふんだんに使用していました。確かに秋という季節感がストレートに出ていますし、彩りの鮮やかさは格別です。

283「繊細な春の花でナチュラルに」などは見開き２ページで一つの作品を紹介し、作業工程のポイントも写真で示してありました。これなら再現できそうです。

それ以外にどの作品も水準が高く、また写真が美しいので見飽きません。
花の写真を撮るのが好きですが、構図や題材も含めて撮影の参考にもなりました。

全ての作品が一覧できるような工夫もラストにしてありました。