インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 [Blu-ray] の感想
参照データ
タイトル | インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 [Blu-ray] |
発売日 | 2014-12-17 |
監督 | ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン |
出演 | オスカー・アイザック |
販売元 | 東宝 |
JANコード | 4988104088970 |
カテゴリ | DVD » ジャンル別 » 外国映画 » ドラマ |
購入者の感想
いかしたデザインのソフト、これはれっきとした2013年カンヌ映画祭審査員特別賞受賞作。
コーエン兄弟の最新作だ。
でも、ジョン・グッドマンのパートがなければ、本当に彼らの作品なの、と思ってしまうほどに、いつもの奇妙なタッチは抑制され、可笑しさと切なさに彩られた心温まる作品となっている。
しかも、フォークとポップスの違いはあるとは言え、クリント・イーストウッドの「ジャージー・ボーイズ」のような洒落た音楽センスを感じさせるのだから、これは凄いぞ。
これは、61年のグリニッジビレッジを舞台に、売れないフォーク・シンガーの心の流浪の物語。
かって、フォーク・デュオとしてレコード・デビューも果たした男は、相棒の不慮の死以来、ライヴで寺銭を貰い、悪態をつき、悪態を食らいながら、荒んだ日々を送っていた。
フォークソングというジャンルが、日常の生活と、表現者の内面の苦悩と葛藤を吐露した楽曲が多い以上、その日常もまた創作活動には何らかのプラスになるのかと思うが、彼の歌う楽曲は、ライヴハウスのオーナーをして、「金の匂いがまるでしない」と切り捨てられる。
ボンクラ主人公の荒涼とした内面を写し出すようなダークでくすんだ色調は、ニューシネマ時代の伝説的カメラマンのラズロ・コヴァックスや、イーストウッド映画でのジャック・グリーンを想起させる。
撮影のブリュノ・デルボネはアカデミーの撮影賞にもノミネートされたのを始め多くの撮影賞を受賞したが、それも順当と思わせる素晴らしい仕事ぶりだ。
先ほど、コーエン兄弟らしくないと言ったが、時折顔を見せるシニカルなユーモアはやっぱりそれらしい。
可笑しくてイカれたキャラクターの人々が紡ぎ出す人生の不可思議な物語性はここでも健在なのだ。
そして、彼らを見つめるカメラ・アイは愛おしさを感じる。
ただ、いつもよりも、それはシビアで現実的ではあるのだけれど。
コーエン兄弟の最新作だ。
でも、ジョン・グッドマンのパートがなければ、本当に彼らの作品なの、と思ってしまうほどに、いつもの奇妙なタッチは抑制され、可笑しさと切なさに彩られた心温まる作品となっている。
しかも、フォークとポップスの違いはあるとは言え、クリント・イーストウッドの「ジャージー・ボーイズ」のような洒落た音楽センスを感じさせるのだから、これは凄いぞ。
これは、61年のグリニッジビレッジを舞台に、売れないフォーク・シンガーの心の流浪の物語。
かって、フォーク・デュオとしてレコード・デビューも果たした男は、相棒の不慮の死以来、ライヴで寺銭を貰い、悪態をつき、悪態を食らいながら、荒んだ日々を送っていた。
フォークソングというジャンルが、日常の生活と、表現者の内面の苦悩と葛藤を吐露した楽曲が多い以上、その日常もまた創作活動には何らかのプラスになるのかと思うが、彼の歌う楽曲は、ライヴハウスのオーナーをして、「金の匂いがまるでしない」と切り捨てられる。
ボンクラ主人公の荒涼とした内面を写し出すようなダークでくすんだ色調は、ニューシネマ時代の伝説的カメラマンのラズロ・コヴァックスや、イーストウッド映画でのジャック・グリーンを想起させる。
撮影のブリュノ・デルボネはアカデミーの撮影賞にもノミネートされたのを始め多くの撮影賞を受賞したが、それも順当と思わせる素晴らしい仕事ぶりだ。
先ほど、コーエン兄弟らしくないと言ったが、時折顔を見せるシニカルなユーモアはやっぱりそれらしい。
可笑しくてイカれたキャラクターの人々が紡ぎ出す人生の不可思議な物語性はここでも健在なのだ。
そして、彼らを見つめるカメラ・アイは愛おしさを感じる。
ただ、いつもよりも、それはシビアで現実的ではあるのだけれど。