パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (ソフトバンク文庫) の感想

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参照データ

タイトルパパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (ソフトバンク文庫)
発売日販売日未定
製作者エーリッヒ・ショイルマン
販売元ソフトバンククリエイティブ
JANコード9784797352399
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 外国のエッセー・随筆 » ドイツ

購入者の感想

こんなの本当に信じてるやつがいるんだ?とか、
最初にフィクションだって教えてほしかったとか、
そんな意見がいくつかありますが、どうしてだろう?
フィクションかどうかって、そんなに大事ですかね?
実際、南洋の酋長が語ったにせよ、それを擬した物語にせよ、
要は読んで感心し、考えさせられるところがあればそれでいい。
この本にはそれだけの力が十分にあると思う。

そもそもフィクションだとしても、それを暴いて、
だから読む価値なしって上から目線で言うって、
ずいぶんと野暮な話だと思う。
有名な擬科学書に『鼻行類』という本がある。
南洋の孤島で発見された鼻で歩くという驚くべき動物群の生態記録であり、
細密なスケッチや、歩行や捕食方法の図解、ご丁寧に解剖図まで載せてある。
この貴重な動物群は、残念なことに某国の核実験により島ごと消滅した
というのが最終報告で、要は手の込んだ反核の書である。
さすがにこの本をまともな科学書として信じる人間は少ない。
でも、そうした手の込んだ “装置”を造り物だと暴いて得意がるバカもいない。
その辺はあえて曖昧にしておいて、ただそこに紹介された世界を楽しみ、
メッセージを心に刻めばいいのだ。

日本に紹介された頃、随分と話題になりました。それから月日が経ち文庫本になっていたのでつい手にとり読み始めました。正直、以前読んだ時のような驚きもショックも受けませんでした。リーマン・ショックでパパラギの最も愛する金に世界中が揺さぶられ、石油文明の帰結としての地球環境問題が現実となった今、この本が鳴らした鐘の音は警鐘ではなく預言書になってしまったためかな、という感慨に浸りました。文明、進歩に嵌ってしまうと自身の姿は見えなくなり、理性的な判断で修正を加えることはできないのですね。サモアの人たちが抱いた不可思議な文明社会の価値観は遂に限界を迎えつつあるようです。2度読む必要はないと思いますが、私達が住む現代を別の角度で見てみるには良い本だと思います。

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