ランボー詩集 (海外詩文庫) の感想

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参照データ

タイトルランボー詩集 (海外詩文庫)
発売日販売日未定
製作者ランボー
販売元思潮社
JANコード9784783725114
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 詩歌 » 外国詩

購入者の感想

構成は、1-10章は、中原中也や小林秀雄など10人の詩人らによって訳されたものを訳者ごとに分けて紹介、11章はイリュミナシオンからの抜粋、12章は地獄の季節の全編、書簡からは”見者の手紙”、最後に解説と年譜という体裁。ランボーの詩は難解なものが多いが、金子光晴の訳した二篇はみずみずしく秀逸。作品と詩人の解説は、5つ掲載されているが、いずれも異なる視点から書かれており、詩の理解に有用だが、解説に引用されている詩が、本文に掲載されていなかったり(たとえば、”街々” ”アブデル・カデール”)、異なるタイトルで掲載されているなど、詩集の編集上、改訂が望まれる。中地義和の”地獄の季節”の解説は丁寧。鈴木和成は、ランボーの行き着いた思想と行動をたどる解説し、”見者の手紙”、”地獄の季節”と絶筆後のアフリカのランボーの行動を紹介。これは、ランボーの詩を読解する時に、推理小説を解き明かしていく時に必要な鍵のような役割を果たし楽しい。二通ある”見者の手紙”はドメニー宛のもののみが訳されており、しかも、そこに含まれているパリの軍歌と”うずくまるやつ”の訳は省略されている。また、イザンバール宛のものは、掲載されていないにも関わらず、解説では、ここからキーワードが引用されているなど、編集上の改訂が必須。なお、”見者の手紙”では、ランボーは、レ・ミゼラブル、ボードレール、ヴェルレーヌの三つを真の詩と評価しているのは興味深い。
以下は金言。

かれは生を変えるための秘密を握っているのでしょうか?p92

ほかの連中を助けなきゃな。それは俺の義務なんだ。p93

また見つかったよ!何がさ!永遠。太陽にとろける海さ。p98

私とは一つの他者なのです。p109

詩人になろうと望む人間のなすべき第一の探求は、自分自身を認識すること。彼は自分自身の魂を探索し、綿密に検査し、それを誘惑し、それを学ぶのです。p109

自らの知的な進歩を、自分のものとして自らに帰属させてしまうエゴイスト。p110

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