Development as Freedom の感想

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タイトルDevelopment as Freedom
発売日2011-05-25
製作者Amartya Sen
販売元Anchor
JANコード登録されていません
カテゴリ洋書 » Subjects » Nonfiction » Economics

購入者の感想

内容はいいです。他の方のレビュー通りに、国の開発を経済的な観点からでなく、他の様々な観点から見て本当の自由(自分たちが理想とする生活を追い求める事ができる能力)を追求する事の重要さに焦点を当ててます。例えば、ただ個人の所得を増やす事だけが開発のゴールなのではなく、平均寿命や識字率の向上、さらには選挙で自分の好きな政党に投票できたり、女性が家庭内で夫にしばられることなく意見を言えたり意思決定できるというような事も開発のゴールであるという事を筆者は論じています。

ただし、この本は翻訳に問題があります。出版する前に校正チェックはしなかったのでしょうか?翻訳が非常に悪く、明らかな翻訳ミスや誤字、脱字があります。それだけならまだしも、文章が直訳すぎてわかりにくく、読んで理解するのに非常に苦労します。何より最大のミスは翻訳者がわざと文章を難しく訳してしまった事です。私は原作を英語でも読みましたが、原作の方がずっとわかりやすいです。というのも、本の中で記述されているように、筆者はこの本を専門家以外の多くの人たちに理解してもらうために、あえて難しい単語や表現を使わずに書き下ろしました。しかし、筆者の努力もむなしく日本語版の翻訳ではあえて難しい表現や単語が使われています。一体翻訳者は何を考えているのでしょうか。

多少英語ができる方は是非とも原作を英語で読んでみてください。日本語翻訳よりもずっとわかりやすいです。TOEICの目安としては800くらいあれば大体読めると思います。

本書は、センが「開発の在り方」を世に問うた作品である。議論の本筋は、「人間生活の豊かさ」を満足度や目標達成に伴う充足感などの主観的指標によって計測するアプローチや、所得や資産水準などの客観的とはいえ画一的で個人間の多様性を考慮しない指標から計測するアプローチを批判し、諸個人の特性(年齢、性別、健康状態、文化・宗教的的背景など)から実際に個人が達成できる選択肢の自由度によって豊かさを計測するべきだと主張している、いわゆる「潜在能力アプローチ」の理論である。その具体例の一つとして、センは、バングラディッシュに住む男性と、アメリカのスラムに住む黒人男性の生存率を比較している。この例では、何倍もの所得を得ているはずの黒人男性が最貧国に住む男性よりも長生きできないのである。画一的な所得だけを見る方法では、黒人男性のほうがずっと豊かな生活にあると判断されるのだが、黒人男性の生活が豊かさの実体を伴っていなことは明らかであろう。こういった分かりやすい事例を多く用いながら、センは真の「開発」とは潜在能力の意味での「自由」を拡大することであると主張し、マハティールの考え方に見られるような国家主導による独裁的な開発を批判する。以上のことから、「豊かさ」を見つめ直し、望ましい開発の在り方を考える上で、本書は非常に重要な入門書と呼べるだろう。ただし、この本は残念なことに誤訳箇所が非常に多いのである。しかしながら、全体の意味は十分につかめるので、十分読むに値する本であることは間違いない。

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