トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[下] (Thomas Pynchon Complete Collection) の感想
参照データ
タイトル | トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[下] (Thomas Pynchon Complete Collection) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | トマス ピンチョン |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784105372132 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学 |
購入者の感想
「ついに読了!」と快哉を叫びたいところだが、実際は読むのに大変苦労したので「結局わけがわからないまま終わってしまった」と小声でつぶやいておく。
いくつかある話の筋に複数の主要登場人物たちが絡み合うため、全体の流れを追うのが私のような遅読の者には特に困難だった。詳しい登場人物索引や豊富な脚注は大いに助かったが、だからといって作品理解が劇的に容易になるほど甘くはない。正直、指がただページをめくっているだけの箇所もあった。主人公のスロースロップがロケットマンや豚ヒーローに「変身」し、<ゾーン>一帯で冒険活劇を繰り広げるところはとてもおもしろいのだが、下巻の後半からそのスロースロップがいつのまにかいなくなってしまう。次はいつ出てくるのかという期待だけを頼りに読み進めていくが、全然その気配がない。一方で、話は「シュヴァルツゲレート」や「シュヴァルツコマンド」の真相に迫っていく。すると、スロースロップの代わりに他の主要人物たちが再登場し、断章形式で走馬灯のように駆け抜けていく。そのうち、とあるページで、スロースロップは「解体」され、<ゾーン>全域に「散布」されたと語られる。正直、この辺りからわけがわからなくなり、五里霧中のまま読了となった。しかし、意味不明という言葉で片付けるにはあまりにも多くのものがそこに含まれている気がして、それは結局2回目以降の読書にまかせるしかないと観念した。
いくつかある話の筋に複数の主要登場人物たちが絡み合うため、全体の流れを追うのが私のような遅読の者には特に困難だった。詳しい登場人物索引や豊富な脚注は大いに助かったが、だからといって作品理解が劇的に容易になるほど甘くはない。正直、指がただページをめくっているだけの箇所もあった。主人公のスロースロップがロケットマンや豚ヒーローに「変身」し、<ゾーン>一帯で冒険活劇を繰り広げるところはとてもおもしろいのだが、下巻の後半からそのスロースロップがいつのまにかいなくなってしまう。次はいつ出てくるのかという期待だけを頼りに読み進めていくが、全然その気配がない。一方で、話は「シュヴァルツゲレート」や「シュヴァルツコマンド」の真相に迫っていく。すると、スロースロップの代わりに他の主要人物たちが再登場し、断章形式で走馬灯のように駆け抜けていく。そのうち、とあるページで、スロースロップは「解体」され、<ゾーン>全域に「散布」されたと語られる。正直、この辺りからわけがわからなくなり、五里霧中のまま読了となった。しかし、意味不明という言葉で片付けるにはあまりにも多くのものがそこに含まれている気がして、それは結局2回目以降の読書にまかせるしかないと観念した。