蘇える変態 の感想

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参照データ

タイトル蘇える変態
発売日販売日未定
製作者星野 源
販売元マガジンハウス
JANコード9784838726615
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆

購入者の感想

私も星野さん同様、脳外科での壮絶な手術・入院経験があり(星野さんより更に長期でした)、主に闘病記として拝読しました。
入院中のできごとは、「わかる…」と、ときに泣きそうに、ときに笑い…、多々共感しました。
特に集中治療室時の激痛や心模様が苦しいほどにわかり…でもフラッシュバックして辛いというのではなく、
自分以外でここまで同じような思いをした人がいたのを初めて読んだといってもいいほどで、一種のカタルシスのようなものがありました。

以下、私が共感して思わず線を引いた箇所を3つあげてみます。(他にもありますが)
読むと辛い文章やネタバレが嫌な方はスルーしてください。

〇集中治療室で「遠くの方で聴こえている看護師たちの話し声に発狂しそうになった」-これは表現としての、比喩の「発狂」ではなく、その時の実感そのものであり、その時の光景を思い出し、瞬間息が苦しくなるほどに同意しました。

〇「今すぐにでもベッドの頭上にある窓から飛び降りたい。早く死んでしまいたい。こんな拷問のような痛みはもうたくさんだ」ー私も病室の窓を何度見上げたか…。これも比喩ではなく、その時の本心に他ならないのです。

〇「暗闇の中、喉から出てきた『地獄だこれ』というかすかな呟きが酸素マスクに充満する」-同じように心の中でささやきました。朦朧としてるので声も出ないわけですが、頭の中ではっきりとひとりごとを「思って」いました。

今や大人気者で大忙しの星野さんに、辛苦の経験を思い出しまとめるのは辛い作業なのに、ありがとうございます、と言いたいぐらいの気持ちです。
ファンの方には「そんな本じゃないですけどね」と呆れられそうですが、闘病記として読んだ一個人の率直な感想でした。

前半は、いつもの星野源らしい、
くだらない妄想やオタク気質な日常の話が続き、
『そして生活はつづく』と何らかわらない著者の日常を
読んでいるのだけど、、、(震災がらみの話だけ例外です)

後半のくも膜下出血以降の話は、
もはや笑える余地がなく、
懸命に日々生きて
想像を絶する痛みと不安に負けそうになりながら
それでも強く自分を立て直そうとする星野源のヒタムキさに
心打たれる。
巷では、いろんな闘病記はあるが、
彼らしさが存分に出ているので
エッセイとしても完成されているのが驚きだ。

自らの曲フィルムの歌詞が
病床の彼にどう聞こえたのか。
「地獄でなぜ悪い」のPVが
どうしてアニメだったのか、、、
そして
そのPVラスト数秒で
彼がピースサインを
病床でしていた理由など、その裏側の事情を知ると
どうしても熱いものが
こみ上げてくる。

奇跡的な生還は、まさしく「蘇る」ということなんですね。
源さん。

星野源のここ数年、ミュージシャンとして、役者として表舞台での活躍が目立つようになった時期からのGINZA連載のエッセイに、連載時にはNGを出されたという下ネタの数々を丁寧に加筆した読み応えのあるエッセイになってます。

前作の『そして生活はつづく』をきっかけに音楽家、星野源のファンになったものとしては、その筆力の研ぎ澄まされ方に驚かされる。普通の生活が主であった前作と打って変わって、音楽家、役者としての星野源の描写増え、それはそれで興味深く、『くだらないのな中に』、『ばらばら』、『フィルム』といった楽曲の製作背景などもファンとしてとっても面白い。つか、共感しすぎる。

だけれどもなんといっても、星野源の2011年から2013年を時系列に追っているところに最大の面白さがあります。セカンドアルバム、テレビドラマ、映画、幻の武道館公演、そしてくも膜下出血からはじまる地獄の日々。真摯に丁寧にそのときの状況を、気持ちを描いてくれている。そしてそれを補強する表紙の写真からはじまり、花沢健吾の挿絵、そしてそのときの星野源を伝えようとする構成。元気が出るとかじゃない、やってやるって気になります。ゼリーのようなメンタルの人じゃ、こんなもの書けないよ!

庭においてあるホースであるところの星野源の表現は確かに澄んできたけれど、それでも依然として泥臭く、イカ臭い星野源であり続けてくれている。もっと読みたいよ!

源さん、正式に日本変態協会会員に認定おめでとうございます。私も非公認日本変態協会会員になりたいと思います。目指せ、正会員。ファン歴は浅いのですが、アルバム、「バカの歌」を聴いて、もっと源さんのことをしりたいと思い、この本を手にしました。
本を手にして世界文学のような著者との垣根が全くなくて、お酒がのめないもの同士、源さんとご飯でも食べながら、くだらないバカ話をしながら、「そうそう!私もそうだった」とか、「えー、そうかー!」とときには、源さんにつっこみをいれたり同じ時間を共有している気持ちになれました。
なんだ、私だけが変態じゃないんだ、と思えて、それを源さんが自らの幼少期のことや今のことを通してありのまま語ってくれていて、思春期にこの本にであえていたらよかったな、と思ったり、いや、いまだから、源さんと「そうそう」て思えるようになったのかもなーと思いました。「おっぱいもみたい。」負のスパイラルに入ったら私も叫んでみようと思う。愛情たっぷりに母からおっぱいをもらって、私も今があるのだから。0

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