BAC TSR2 (世界の傑作機 No.164) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルBAC TSR2 (世界の傑作機 No.164)
発売日2014-11-29
販売元文林堂
JANコード9784893192325
カテゴリ »  » ジャンル別

購入者の感想

BAC TSR2 はあまり知られない機種ですが、それも試作のみで終わった攻撃機ですから仕方ありません。しかしその試作機について、これだけ充実した内容の文献が、「日本で」発表されたことに意義があります。
おそらく諸外国の文献を凌駕した内容であると思います。BAC TSR2 は個人的には、ロックウェルA-5ビジランティと同様の性能を持っていると思っています。実用化されても、偵察機改造されて生き延びたことでしょう。
『世界の傑作機』にふさわしい記事と写真で、軍用航空機、先端航空機に興味のある方にぜひお勧めします。

  世界三大「悲運の名機」(評者の個人的分類)の一つ、BAC TSR2のモノグラフである。
(ちなみに残りの2機はXB-70、CF-105である。誰も訊いてないか・・・)

  評者が本機をはじめて知ったのは、故佐貫亦男先生の筆になる「飛行機の本」(カッパブックス 1969)であるから、既に40年以上前で、読み返してみたら開発が中止されたこともしっかり記述されていた。この本に掲載された情報はごくわずかなもの(小さな口絵写真1枚と新書1ページ弱の短い記述のみ)でしかなかったが、それでも純白に塗装された鋭角的なスタイリングと、下方に大きく折り曲げられた翼端は強く印象に残った。それ以来、TSR2に関して日本語で読めるまとまった記述は、評者が知る限り本書がはじめてである(あ、「蛇の目の花園」は別ね)。

  しかも、その内容は開発開始から中止までの顛末、機体設計、テストパイロットへのインタビューなど盛りだくさん、また写真も短い現役当時のものと、2000年代に入ってから完成した復元機のものを取り混ぜており、「おなかいっぱい」感を味わえる仕上がりである。(例によって誤植もあるが。この価格でこれだけの情報が得られるのであるから、瑣末なミスは気にしないほうが健康によいと思う。)

  全104頁の内訳は、カラー写真21頁、カラー側面図3ページ(2ページは計画、架空のもの)、モノクロ写真30頁、モノクロ線図はカッタウェイが見開き2頁+図面4頁、残りが本文。

  カラー写真は製造過程、試験飛行、コクピット(おそらく実機)及びモックアップの爆弾倉内部、復元機の細部写真などから構成され、本機の美しい姿態がよくわかる空撮写真も含まれる。

  モノクロ写真は設計/開発プロセス、試験飛行、復元機細部写真の三部構成となっており、変わったところでは試験飛行の部分で2ページにわたり、本機のテストパイロットのポートレートが含まれる。おそらく本文の執筆も担当されている岡部いさく氏の編集方針(「ほらほら、こんな人が飛ばしてたんだよ^^」)と思われる。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

BAC TSR2 (世界の傑作機 No.164)

アマゾンで購入する
文林堂から発売されたBAC TSR2 (世界の傑作機 No.164)(JAN:9784893192325)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.