満月の道: 流転の海 第七部 の感想

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タイトル満月の道: 流転の海 第七部
発売日販売日未定
製作者宮本 輝
販売元新潮社
JANコード9784103325178
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説

購入者の感想

1961年(昭和36年)。東京オリンピックが間近に迫る中、熊吾は中古車販売の仕事を着実に発展させつつあった。伸仁も自分のやりたいことを見つけ、房江もそれなりに自分の生きがいを見つけようとしていた。だが、松坂一家に、気づかぬうちに暗い影が忍び寄っていた・・・。流転の海第7部。

世の中がオリンピック景気で沸く中、熊吾の事業は驚くべき勢いで発展を続ける。日本が車社会へと移り変わる中で、時代の波にうまく乗っていた。だが、いいことばかりが続くわけではない。思わぬ落とし穴が熊吾を待っていた。60年以上生きてきてそれなりに人生経験を積んできた熊吾にも、人の心の闇の部分を見抜けないときがあった。気づいたときは時すでに遅し・・・。熊吾は窮地に陥る。熊吾自身にも落ち度はあった。「家庭も仕事もうまくいっているのになぜ?」と思うが、やはりそれは熊吾の持って生まれたもの故なのか?松坂一家の今後がとても心配だ。また、房江のこれからの人生にいったい何が待ち受けているのか?そのことも気にかかる。流転の海シリーズは第9部で完結とのことだが、はたして完結まで何年かかるのか?待ち遠しくてならない。
人生の悲哀、人の心の闇や弱さ、そういうものが実に巧みに描かれている。読んでいてぐいぐい引き込まれていく、本当に面白い作品だと思う。

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