諸葛孔明〈上〉 (中公文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル諸葛孔明〈上〉 (中公文庫)
発売日販売日未定
製作者陳 舜臣
販売元中央公論社
JANコード9784122020351
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学

購入者の感想

東南の風を祈祷しなければ、北斗七星の旗を掲げた神軍も登場しない。そこには堅実な智謀により、乱世を収束させようとした孔明の姿があった。血に塗られた戦いのシーンは極力避けられ、立場や心情、綿密な時代背景の描写によりストーリーが展開していく。ここ一番の派手さはないが、孫権が奏案(テーブル)を切ったのも、孟獲が七度放たれたのも、孔明演出の出来レースだったという設定がおもしろい。
詭計よりも入念な地固め、行き届いた根回しによって策を展開する。気配りは天下一品、己を滅して和を重んじる反面、読者サービスなのか内なる感情を暴露する事も忘れない。妻が重要な役割を担っている点も、女性読者である私には嬉しい限りだった。
神格化された清廉潔白な孔明よりも、努力家で家庭のにおいも感じさせる孔明…陳舜臣の諸葛孔明は、今までに読んだどんな本よりも、私を満足させてくれた。
…何作か三国志作品を読まれた方には特にオススメの本です。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

諸葛孔明〈上〉 (中公文庫)

アマゾンで購入する
中央公論社から発売された陳 舜臣の諸葛孔明〈上〉 (中公文庫)(JAN:9784122020351)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.