数学ガール ガロア理論 (数学ガールシリーズ 5) の感想

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参照データ

タイトル数学ガール ガロア理論 (数学ガールシリーズ 5)
発売日販売日未定
製作者結城 浩
販売元ソフトバンククリエイティブ
JANコード9784797367546
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 数学 » 一般

購入者の感想

この「数学ガール」シリーズは、いつも楽しく読ませてもらっているが、9章までは凄く判り易い。登場人物が、試行錯誤を繰り返しながら、群論に関わる様々な概念や、方程式の解き方を、自ら一歩一歩解明していく過程が、読んでいてとても勉強になる。群の同形、部分群、剰余類、正規部分群、商群などの諸概念が、丁寧に解説されていて、これならば中学生が読んでも十分に理解できるのではないかと思う。少なくとも9章までは。

10章が、ガロアの元論文の内容の解説に当てられており、この章で方程式のガロア群と、群の可解性との概念が導入され、ガロア群が可解のときのみ方程式が代数的に解けることが解説されているのであるが、9章までが中学生レベルだとすると、10章でいきなり大学院の授業のような進み方になって、ちょっとついて行けない。ページ数が400ページを超えてしまって、これ以上続けるのに無理があったのは判るが、9章までのレベルと落差がありすぎる。フェラーリやオイラーの、4次方程式の解の公式も紹介せずに、そのガロア群が可解だから解の公式も存在する、といわれても、イマイチ説得力がないし、5次以上の対象群が可解でないことは、サラッと結果を述べてあるだけである。

2011年の、ガロア生誕200周年に合わせて、多くのガロア理論の解説書が出版されたが、どれもこれも、書き出しはとても判り易いのに、本の後半になると、著者が疲れて来てしまっているのがありありで、どんどん議論の進め方が早くなってしまっていて残念である。その中で、この本は10章中、9章目までは良く書けているので、良しとするべきであろうか。

ところで、242ページにある3次方程式の解の公式は、223ページで変数をyからxに変換したことを忘れてしまっていて、b/3a だけずらさなければ、正しくない。これに気づかないなんて、ミルカさんらしくない!

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