熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ) の感想
参照データ
タイトル | 熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 田崎 晴明 |
販売元 | 培風館 |
JANコード | 9784563024321 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 物理学 » 一般 |
購入者の感想
熱力学を初めて勉強して、結局何だったかのか分からなかったという感想を持つ学生は多いと思われる(少なくともレビューアーはそうであった)。そんな学生に対して、この本はまさに「福音書」である。熱力学関係の本を数多買いあさった読者にとって、きっと本書は本棚の中で特別な位置を占めることになるであろう。
分かりやすいといっても、厳密性を損ねて気分を伝授し分かったようなつもりにならせる類書とは全く異なっている。斬新な構成ながら、熱力学の体系を論理的に構築していくために、読者は「なにかごまかされているのではないか」という感じを持たずに、道に迷うことなく最短ルートで頂上まで辿り着ける。さらに厳密な定式化を望む読者のために附録で技術的な細かい点までフォローされているこ!とも見逃せない。
内容はきわめて斬新で、まずヘルムホルツの自由エネルギーと内部エネルギーに関する徹底した議論を通して、熱力学の枠組みを理解させる。ついでそこから自然にエントロピーを導出し、それから本書の大きな柱の1つである熱力学関数の凸性とLegendre変換を用いて数々の熱力学関係式を導出している。最後の章で扱われている相転移のLandau理論やスケーリング則の解説は、熱力学を理解した(つもりで)現在統計物理学を勉強している読者にも有用であるに違いない。
分かりやすいといっても、厳密性を損ねて気分を伝授し分かったようなつもりにならせる類書とは全く異なっている。斬新な構成ながら、熱力学の体系を論理的に構築していくために、読者は「なにかごまかされているのではないか」という感じを持たずに、道に迷うことなく最短ルートで頂上まで辿り着ける。さらに厳密な定式化を望む読者のために附録で技術的な細かい点までフォローされているこ!とも見逃せない。
内容はきわめて斬新で、まずヘルムホルツの自由エネルギーと内部エネルギーに関する徹底した議論を通して、熱力学の枠組みを理解させる。ついでそこから自然にエントロピーを導出し、それから本書の大きな柱の1つである熱力学関数の凸性とLegendre変換を用いて数々の熱力学関係式を導出している。最後の章で扱われている相転移のLandau理論やスケーリング則の解説は、熱力学を理解した(つもりで)現在統計物理学を勉強している読者にも有用であるに違いない。