完全独習現代の宇宙論 (KS物理専門書) の感想
参照データ
タイトル | 完全独習現代の宇宙論 (KS物理専門書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 福江 純 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784061532861 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 宇宙学・天文学 » 一般 |
購入者の感想
「はじめに」に有るように、一般の啓蒙書とは異なり、数式を取り入れながら、アインシュタインの方程式、フリードマン・ルメートル方程式の読み解きなど、これまで、分かりにくかった内容が平易に解説されている。すべてを深く理解するのは困難だが、概要を、本格的に数式を含めて、理解する絶好の手掛かりになるかと思う。
但し、全体的に情報量が非常に多いので、本質を咀嚼するには何度も読み直す必要が有ると思う。
また、著者が言っているような高校生レベルでの理解は難しく、大学教養レベルの数学・物理の基礎が必要かと思う。
但し、全体的に情報量が非常に多いので、本質を咀嚼するには何度も読み直す必要が有ると思う。
また、著者が言っているような高校生レベルでの理解は難しく、大学教養レベルの数学・物理の基礎が必要かと思う。
現代の宇宙論についての、「お話」主体の解説書は多い。一方、最先端の専門書は高度な数学や素粒子物理学が多用されていて、一般向けではない。本書は、ブラックホールの研究者でもあると同時に、天文教育にも携わっている著者が、このギャップを埋めるために書いた本である。著者の狙い通り、「解説書」に飽き足らない宇宙論好きには、堪らなく面白い本である。最先端の宇宙論が、高校数学プラスアルファの数学レベルで、丁寧に説明されている。
全22章は、宇宙史の5大エポックに分けられ、宇宙の誕生から未来までが取り扱われる。5大エポックとは、宇宙の誕生、宇宙の晴れ上がり、宇宙の再電離、星や銀河の形成、太陽と太陽系の形成である。ここまでが137億年の宇宙の歴史であり、最後に宇宙の未来が議論される。宇宙の再電離など、解説書レベルではあまり触れられない時代も、最新の研究成果が盛り込まれている。ただし、多重宇宙論や循環宇宙論など、まだ評価が定まっていない理論はごく簡単に紹介している程度であり、あくまで観測と理論で実証されている「正統派宇宙論」が本書の主役である。
使われている数学は、常微分方程式レベルで、後は物理定数と基本式の代数計算により、各エポックにおける時空のオーダーが評価される。宇宙論といえども、古典物理学プラスアルファ(相対性理論や素粒子物理学などの基本知識)で、ある程度はその歴史を辿ることができることに納得した。なにしろ盛り込まれている各分野の情報量が膨大なので、急がず、計算を追いかけながら、ゆっくり味読されることをお奨めする。
宇宙論の「解説書」は一般受けするテーマのみ取り上げているものが多い。本書は、宇宙の全史を数式と物理量でフォローできる仕組みになっていることが最大の特徴である。本書を読んだ後、再び「解説書」を読めば、その舞台裏が読み取り易くなることは間違いなさそうである。つまり、本書は、一般人が宇宙論を楽しむレベルをグンと深めてくれる、得難い本といえる。
全22章は、宇宙史の5大エポックに分けられ、宇宙の誕生から未来までが取り扱われる。5大エポックとは、宇宙の誕生、宇宙の晴れ上がり、宇宙の再電離、星や銀河の形成、太陽と太陽系の形成である。ここまでが137億年の宇宙の歴史であり、最後に宇宙の未来が議論される。宇宙の再電離など、解説書レベルではあまり触れられない時代も、最新の研究成果が盛り込まれている。ただし、多重宇宙論や循環宇宙論など、まだ評価が定まっていない理論はごく簡単に紹介している程度であり、あくまで観測と理論で実証されている「正統派宇宙論」が本書の主役である。
使われている数学は、常微分方程式レベルで、後は物理定数と基本式の代数計算により、各エポックにおける時空のオーダーが評価される。宇宙論といえども、古典物理学プラスアルファ(相対性理論や素粒子物理学などの基本知識)で、ある程度はその歴史を辿ることができることに納得した。なにしろ盛り込まれている各分野の情報量が膨大なので、急がず、計算を追いかけながら、ゆっくり味読されることをお奨めする。
宇宙論の「解説書」は一般受けするテーマのみ取り上げているものが多い。本書は、宇宙の全史を数式と物理量でフォローできる仕組みになっていることが最大の特徴である。本書を読んだ後、再び「解説書」を読めば、その舞台裏が読み取り易くなることは間違いなさそうである。つまり、本書は、一般人が宇宙論を楽しむレベルをグンと深めてくれる、得難い本といえる。