機動戦士ガンダム サンダーボルト 4 (ビッグコミックススペシャル) の感想

一年戦争の収束と共に始まる新たな戦い。
ダリル と イオ。
数奇な運命に引き寄せられる二人が相見える舞台は、地球。
しかも、亜細亜。

…とまぁ、ここまでならフツーの「ガンダム関連作品」。
ところが、『サンダーボルト』はここからが違う。

連邦ＶＳジオン残党。
誰しもが考え付くこの構図に、思いもよらない第三勢力の参戦。
あくまでも、ストーリーの骨子は「サイコ・ザクの存在」という ブレない信念。
心底無骨で、限りなく切なく、それでいて爽やかな読後感もある。
こういう作品、滅多にないと思います。

また、ＭＳのデザインや兵器の解釈など、至る所に工夫の跡が見えて感心します。
人が次々に死んでいくのに、そこに深い意味が見出せない戦争。
その空虚な情景が、鮮烈に描かれています。
おすゝめです。