八月の蜂起 小説フランス革命 11 (集英社文庫) の感想

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参照データ

タイトル八月の蜂起 小説フランス革命 11 (集英社文庫)
発売日2014-10-17
製作者佐藤 賢一
販売元集英社
JANコード9784087452365
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説

購入者の感想

本書のタイトルは「フランス革命」の前に「小説」という言葉がついている。当たり前じゃないか、小説なんだからと思わずに、何故?と今更考えさせられたのが本巻の読後感だった。史実に即しつつも、本シリーズでは、登場人物の心の台詞と架空の脇役達が登場する。これがフィクション=小説であって、これが史実に加わることで、著者のメッセージが鮮明に伝わってくる。

前巻では、名もなき地方の請願者の言葉に、民主主義のあり方を再認識し再び立ち上がるロベスピエールがいた。
本巻では、死亡フラグ全開な軍人の戦死が、デムーランに血をもってしても切り開くべき未来~孫子の代のフランスの未来~があることを教えている。
自分のことしか考えないフイヤン派さらにはジロンド派を尻目に、フランス人一人一人(民衆)に目を向け、そこにしっかりと根を張った活動家達の真骨頂が8月10日の蜂起として結実する。シャンド・マルスの虐殺という挫折からのブルジョワ達の逆襲に地団駄を踏むばかりだった民衆の力が、バスチーユ襲撃以上の革命を引き起こすくだりは、小説ならではのダイナミックさだ。

そして、ラストでの有名なダントンの台詞に、読者はおそらくは残り数少ないカタルシスを得るだろう。
それにしても、この言葉。本書では「大胆」とされるが、「勇気」や「豪胆」とする書もあり、なぜ大胆なのか?とのデムーランの問いが次巻以降のダントンによって示されていくところが楽しみだ。

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