アオイホノオ(8) (ゲッサン少年サンデーコミックス) の感想

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参照データ

タイトルアオイホノオ(8) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
発売日2013-03-29
製作者島本和彦
販売元小学館
JANコード登録されていません
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

漫画家を目指すホノオは、東京の大手出版社SA社に持ち込みをしている。編集者と面識もできて、次回作を描くように言われている。学園マンガを描こうとするホノオの前に立ちふさがったのは、校舎と教室だった。適当なキャラや背景だけで構成されるギャグ漫画ばかり描いてきたホノオは、パースをつけて、細かい直線を引かねばならない背景など、描いたことがないのだ。

そこでホノオが参考にしたのは、原秀則と車田正美だった。両者ともに学園マンガや中学生が主人公の作品を描いているのに、机も校舎も登場しないのだ。苦手なものは描かなければいい。描かなくてもいいストーリーにすればいいのだ。

ゲッサンは定期購読してないんですが、たまたま読んだ号が「机を描くのがめんどくさい」てネタだったので単行本の表紙見て爆笑しました(笑。

描くのめんどくさい→原秀則が誤魔化して描いてるじゃないか→ありがとう原秀則
原秀則の立ち位置が素晴らしいですね。そうそうこの人はこういう人だよ、と読者的に共感しつつも前回の『アハ体験』もそうだけど「原秀則、こういうの許可しちゃうんだな。結構懐広いなぁ」とか思いました。
無許可かもしれませんけどね(^^; 元絵載せてるんだしそれはないか。

島本先生の時代というのは「オリジナルはやりつくした!」という観念から出発する時代であり、パロディ作家が台頭する時代であり、オタク第一世代が幅を利かせる時代です。
パロディを煮こごりにしたようなガイナックスが並走して描かれるのはもちろん時代の空気を存分に味あわせるためでもあります。
80年代というのは、こうしたパロディ全盛の時代でありますが、これまでアニパロを、その台頭期を時代の空気とともに伝える作品というのは少なかったと思います。
自意識が過剰ゆえになにかを発信したい!というムーヴは当時一つの大きな流れであったはずですし、それを可能にする時代背景もあった(歴史的にはバブル景気がはじまるちょっと前でしょうか)。
日本が右肩上がりだからこそできた漫画アニメムーブメント(当時の投資企業を騙くらかす山賀や岡田という人材も必要なわけで)を、その熱を味わえるというのは貴重であります。
大体がパロディゆえに「80年代はスカだ」という評価になりがちだし、その後宮崎事件などでマスコミ扇動による大弾圧がありましたしね。
今の「ジャパニメーションは外貨を稼げる!」てのは、紛れもなく彼らの成果だと思いますが。

それはともかく、トン子さんとの行方はどうなるんでしょう? たしか島本先生は、ラジオ番組かなんかで「若い時の年上の女性との甘酸っぱい思い出を描きたい云々」と言ってましたけど。
そのへんの切ないお話が読めるのかなぁ、と期待しております。

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