Unmasked の感想

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ポールが「このアルバムは、いい曲ばかりなのに半端なアレンジで気合いが入らない感じでレコーディングされた。」と言っていたらしい。ピーターは薬物問題で解雇、エースは自分で楽器を持ち込んでレコーディング、とメンバーが距離を置く。そんな時に作られた。
前作よりもポップ路線に走り、今までのファンから酷評された。ポップなロックが嫌いでは
ない私は結構好きなアルバムだが、その後HM路線に走り更には従来のKISSらしさを
取り戻した作品と比べると、「エッジが効いていない。」そんな感じがする。
しかし逆にこんな楽曲も作れる実力あるバンドと言えるんでは…ある意味、貴重なアルバム
なのではないか。

John Owen-Jonesさんの2枚目（実際は3枚目）のアルバムになります。ミュージカル曲で構成されていた前回とくらべると007ありwithout youありと幅が広がりつつも、JOJさんの歌唱を堪能できる1枚になっています。（歌詞カード付き）
「この曲がなければファンが黙っていない」とご本人もおっしゃっていたBring Him HomeとMusic of the Nightもしっかり入っています。特にMusic of the Nightは2012年現在おこなわれているオペラ座の怪人UKツアーでの新演出版に沿った解釈に近い歌い方になっていると思います。いままでのMOTNが夜の帳から響き渡って魂を吸い込むような透明感のあるイメージだったのが、ツアー版はもっとくっきりとクリスティーヌの魂を揺さぶる目的をもって歌われます（個人的感想ですが）。ツアー版のCDが現時点で発売されていない中、このCDが唯一、遠い日本でツアー版の怪人を偲ぶことができるものだと思います。25周年コンサートに近いツアー版の演出ですから、JOJさんファンとすると「JOJさんがアルバートホールで歌っていたらこんな感じだったのかもしれない」と夢想するのもよしでしょう。
他の曲に関してはAll I Ask Of Youが若々しい無鉄砲さという雰囲気がなく、キャラの違いを感じさせましたがJOJさんが歌うという意外性と絶対に舞台では見られないという希少性から◎。This is the Momentは何度かBBCラジオなどでも歌っていらっしゃいましたが、その時以上の完成度の高さ。ブリン・ターフェルさんとのI don’t remember youもブリンさんの渋い声と調和して聴きごたえがありました。
近々ロンドンへ行くけれどツアーまで追いかけていけない！というファンの方は、セブンダイヤルズにあるドレスサークルへ足を運んでみてください！JOJさんの生サイン入りCDが売られています（2012年5月4日時点）。おつかれだったのかちょっと失敗したのもあったり眺めているだけで楽しいです。ちなみにツアー会場ではこのCDは売られていませんでした。

ＫＩＳＳ史上の隠れた名盤、ＰＯＰさを前面に押し出した音作りは、けっして今のアルバムにひけをとってない作り、シャンディ、トゥモロー、なんてポール節全開の名曲。この時期バンドがごたごたしていた為なのと、時代がハードな音へ流れていた為、結果的に損をしたアルバムなので、ぜひ聞いて再評価して欲しい作品です。聞いてね！