Dogs and Demons: The Fall of Modern Japan の感想
参照データ
タイトル | Dogs and Demons: The Fall of Modern Japan |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | Alex Kerr |
販売元 | Penguin |
JANコード | 9780141010007 |
カテゴリ | » 洋書 » Special Features » all foreign books |
購入者の感想
犬はそのへんに沢山いて、本物らしく描くのは難しいけれど、鬼なら奇抜だから誰でも描ける、という中国の故事から名付けられた「Dogs and Demons」。著者のKerrは、日本は今まで鬼ばかり描いてきたと言っています。 購入してから2日で一気に読んでしまいました。 凄い本です。 産業発展のために天然林を伐採し、杉ばかり植林されたモノトーンな山々、砂浜の景色を台なしにする無数のテトラポット、垂れ流されるダイオキシン、地方の田園風景に突然そそり立つ風景にまったく溶け込まない金属色のコンサートホール(これこそ著者の言う「鬼」ですよね)、ごみごみして信じられない程住みにくい都会、官僚による「自動操縦」の行政、幼稚な金融システムに幼稚園レベルの若者。。。今まで一般の日本人の心の中につもりつもって、もうどうしたらいいのかさえ分からなくなっていた事をKerrはこの本の中で見事に表現してくれています。そしてKerrは、日本までおかしくなった理由として日本の文化や教育の影響をあげています。久しぶりに共感できる本に出会えました。この本を多くの日本の人、そして現状を理解しながらも日本に甘い期待や夢を抱いている外国の人に読んでもらいたいと思いました。外国人にはなかなか理解されない私達が感じている日本人の怒り、悲しみ、やりきれなさがKerrのタフで時々ユーモラスな文章の中につまっています。