老いの入舞い 麹町常楽庵月並の記 の感想
参照データ
タイトル | 老いの入舞い 麹町常楽庵月並の記 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 松井 今朝子 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784163900766 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説 |
購入者の感想
舞い手が退場する寸前にもう一度中央で華やかに踊ることを「入舞い」と言うそうで、年寄りが最後の一花を咲かせることを「老いの入舞い」と言っています。
この連作短編集は、志乃と言う大奥出身の尼僧がアームチェアー・ディテクティブよろしく、難事件を推理してゆく物語です。
そして、主にワトソン役を果たすのが、若き同心間宮仁八郎です。
「巳待ちの春」「怪火の始末」「母親気質」「老いの入舞い」の四編が収められています。
そのいずれもが、非常に人情的な決着になっているのですが、そうなる理屈が江戸時代と言う身分制度の中で止むを得ないと納得が行くような形を取っています。
最後の表題作は、武家屋敷で起こった殺人事件が扱われていますが、普通では町方は手の出しようがありません。
それでも、犯人に懲罰を与えるのですが、かつての大奥での人間関係から老中に手を回す形で行われます。
本来なら、町人のために武家が動くことなどないのですが、大きな力を動かすことで事件を終結させています。
推理小説の持つ合理性と、時代小説の持つ人情味が、作者の深い知識に裏付けされて、見事な作品に仕上がっています。
この連作短編集は、志乃と言う大奥出身の尼僧がアームチェアー・ディテクティブよろしく、難事件を推理してゆく物語です。
そして、主にワトソン役を果たすのが、若き同心間宮仁八郎です。
「巳待ちの春」「怪火の始末」「母親気質」「老いの入舞い」の四編が収められています。
そのいずれもが、非常に人情的な決着になっているのですが、そうなる理屈が江戸時代と言う身分制度の中で止むを得ないと納得が行くような形を取っています。
最後の表題作は、武家屋敷で起こった殺人事件が扱われていますが、普通では町方は手の出しようがありません。
それでも、犯人に懲罰を与えるのですが、かつての大奥での人間関係から老中に手を回す形で行われます。
本来なら、町人のために武家が動くことなどないのですが、大きな力を動かすことで事件を終結させています。
推理小説の持つ合理性と、時代小説の持つ人情味が、作者の深い知識に裏付けされて、見事な作品に仕上がっています。