L-エル- (CD+DVD) (Project『Shangri-la』LIVE 盤) の感想

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前作の2012は曲ごとに物語があり、主人公も違う様々な世界の物語を詰め込んだ作品でしたが、今作は「L(エル)」という一人の女性の波乱に満ちた生涯を描いたシングル4枚を含む新作です。

過去にリリースしたシングル4作、この作品を事前に意識した上で逆算して作った曲達なのか、それとも後付けで今回のシナリオを構築したのかまでは私には分かりませんが前者だったら本当に凄いですね・・・
曲の並びも本当に良く考え抜かれてるなと感心させられます。
最初はブックレットを読まずに一通り聴く、それ
からブックレットへ一通り目を通してから聴く、それによってこの作品への感想や印象が全く違った物になるでしょう。

毎回思う事ですが、Janne Da Arcとしてインディーズでデビューしてから今日(こんにち)に至るまで活動期間が 本当に長いyasuさんですが才能が枯れたり尽きるどころか未だにいい形で進化を続けている、持っている引き出しがどれだけあるんだろう？と聞きたくなる位多いですね。
自分はJanne時代からのファンですが、だからと言って彼のやる事なす事全てを手放しで絶賛したりはしません。
それでもその点は本当に凄いと思ってます。
yasuさんの才能とセンスには毎回脱帽させられます。

こちらにはブックレットの他にLive DVDも付属しています、映像+音源再生で鑑賞するのも勿論、PCのフリーソフト等で音源のみ抽出して2012のLive CD同様音楽鑑賞用として楽しむのもいいですよ。
自分もL-エル-共々、Live音源のみ抽出して携帯プレーヤーで楽しませてもらってます。
ただし、言うまでもなく音楽抽出した上での鑑賞は個人のみの利用でお願いします。

【追記】
2012はシングル曲が多すぎる等の声も散見しましたが、アルバム曲は本当にクオリティ高かった作品です
Lはコンセプトアルバムとして評価するなら素晴らしい作品です
ただし過去作のアルバムより攻撃性が今回一番薄い作品かな？とも思いました
強いて言うなら唯一物足りなかったなと思うのはその一点だけです。

今回のアルバムは過去三作以上にコンセプトストーリーを重視した作品になっていますが、正直ストーリー単体を見れば特別面白いとは言えません。よく出来ているものの、本格的な小説とは比べるまでもないでしょう。
しかし、このストーリーを頭に入れることによって、感動が倍増する曲が多数あります。
そう、曲の為のストーリーなのです。まずそれをご承知頂けたらと思います。

そして曲単体でみても、特にサウンド面においてその完成度は過去の曲より上がっていると感じました。
以下簡易レビューです（シングル曲は除きますが、どれも良曲です）

１・Round & Round―ラウドなサウンドながら、悲しげなメロディーが光る。アルバム内で一番好きかも。ブックレット２ｐのイラストを見ながら聞くと泣けます。
２・liar or LIAR ?―yasuらしいメロディアスなロックナンバー。janneのマリアの爪痕に近いかも。お気に入り。
３．エストエム―ゴリゴリのハードロック。バックサウンドが痛快で、ライブでは絶対盛り上がるでしょう。これもお気に入り。
５・ L-エル-―うーん、yasuにしては普通すぎるＰＯＰナンバー。彼の声じゃなかったら聴かないかも。ただ、ブックレットを読めばある程度楽しめる。
７・ 7 colors―これもＰＯＰですが、メリハリの利いたメロディーと、情緒あるギターサウンドで楽しい曲です。ブックレットを読めばもっと楽しめる。
１０・versus G―メタルっぽいナンバー。サウンドがハードで好きな曲ですが、ラップはちょっと余計だったかも(笑)
１１・眠れぬ夜―歌謡曲的なナンバー。さすがyasuはこういう曲が上手いです。指輪物語に近い。
１３・Loves―ABCアルバム初であろうバンドサウンドを使っていない曲で（君がいるからとかもありますが）、ピアノが主軸になっています。 L-エル-と似たようなメロディーながら、こちらはシンプルゆえにyasuの声の美しさが際立っていて良いです。"行かないで~♪"のファルセットとか特に素晴しい。