FLOWERS -Le volume sur ete-(夏篇) 初回限定版 の感想

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参照データ

タイトルFLOWERS -Le volume sur ete-(夏篇) 初回限定版
発売日2015-04-17
販売元InnocentGrey
機種Windows
JANコード4560215590346
カテゴリPCソフト » ジャンル別 » PCゲーム » アドベンチャー

購入者の感想

「夏篇」と銘打っている通り、今作は前作の「春」を経た夏を舞台としている。
新たに主人公となるえりかは、一筋縄でも二筋縄でもいかないひねた性格。
彼女のウィットと皮肉に満ちた視点は、蘇芳目線とは違うアングレカムを映しだす。
えりかにとって友人は本だけ、関わりの深い蘇芳でさえあくまで「書痴仲間」、
どこか周囲と一線を置いているような懐を見せないえりか。
そんな彼女もまた、初夏を迎えた季節のように、新しい変わり目を迎える。

転入してきた千鳥とアミティエとなり、不平を言う暇なしに密な付き合いをしなければならなくなったからだ。
千鳥はツンケンした雰囲気の持ち主で真面目でクール、当然えりかとはソリが合わない。
どこか似た者同士のふたり、さながら磁石のSとS(またはNとN)、同極どうし反発しあう。
ふたりがもし他の場所で出会ったのなら、まったく関わろうとしなかったのではないか?とも思わせる。
しかし、えりかと千鳥は同室で寄宿しているのだから、いやがおうにもコミュニケーションのやりとりを迫られる。
はじめ多く描写されるものは、ふたりで食事を取るシーン。
えりかの雑学と蘊蓄(あるいは衒学)、千鳥のどこかズレた反応、それに振り回される、逆にからかってやろうというえりかのユーモア、トムとジェリーのような茶目っ気が日々を彩る。
それはそれなりにやっていると言えるが、もちろん核心を掴むほどではない。
ふたりの仲が急速に進展するのは事件に巻き込まれてからだ。
ある事件を勢いからを解決せねばならなくなったえりか、ここでFLOWERS特有のミステリー要素が登場する。
ミステリーといっても殺人だとか後味の悪い内容ではなく、えりかの言う通り大山鳴動してネズミ一匹、そんなオチが多い。
前作から続き、謎解きを主眼にしているというよりは、
だれかと推理を共同すること、そしてその事件の裡にある想いを読みとることに重きを置いている。
散発的に起こる事件、朗読やバレエの発表会などの困難を通過し、
ふたりがどんな変化をするか、そちらを愉しみにすると佳いだろう。

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