スコア マーラー 交響曲第5番 嬰ハ短調 (Zen‐on score) の感想
参照データ
タイトル | スコア マーラー 交響曲第5番 嬰ハ短調 (Zen‐on score) |
発売日 | 販売日未定 |
販売元 | 全音楽譜出版社 |
JANコード | 9784118917054 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » エンターテイメント |
購入者の感想
マーラーの譜面は、音楽そのものが巨大で極めて緻密、精密なのに加え、指示の書き込みが神経質にいっぱいあって、本当に読みでがあります(皮肉ではなくて)。聴いているだけではわからない、気が付かない箇所の発見が譜面を読む楽しみですが、これを読んで行くには相当な時間と努力が(私程度の音楽の知識、経験、技術では)必要です。だけどそれが楽しかったりして。まるでドストエフスキーやトルストイの小説を、間を見つけて折に触れ読み進むみたいですね。
ただし、指示のドイツ語の翻訳はついてません。知りたければ独和辞典が必要ですね。
ただし、指示のドイツ語の翻訳はついてません。知りたければ独和辞典が必要ですね。
作曲者は生前交響曲を9曲完成させているが、そのちょうど中間作品。他の曲同様、緻密な対位法により構成されているが、本作品ではそれが一層緻密さを増し、まさしくつづれ織の様相を見せる。圧巻は弦だけで演奏される四楽章。演奏は非常に分厚い響きを聞かせるが、譜面上はたかだか6パートしかない。まさしく機能を知り尽くした人間にのみ可能な書きぶりといっても過言ではない。旋律、副旋律と色分けするとさらによく分かります(もちろん、ほかの楽章も)。是非ご覧ください。