アナログ電子回路―集積回路化時代の― の感想
参照データ
タイトル | アナログ電子回路―集積回路化時代の― |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 藤井 信生 |
販売元 | オーム社 |
JANコード | 9784274216121 |
カテゴリ | 科学・テクノロジー » 工学 » 電気工学 » 電子回路 |
購入者の感想
商業出版久しい今日において、電子回路と銘打った「絵本」を立ち読みしてみるとその圧倒的な情報の少なさに驚かされる。そういう意味では、トランジスタ回路のような半世紀以上前に生まれた技術については、以前の教科書でも良いと思う。その以前の教科書の中で定評があるのがこの教科書である。これは交流理論や回路網理論をある程度心得て、次のステップ(電子回路)に入りたいと思う意欲的な学生にとっては良著である。トランジスタの増幅作用の原理(半導体理論の一部)から、回路にしたときの実際、等価モデル、等価回路での解析法、オペアンプの基本的な回路など、もっとも基本的な事項を余すことなく詳解している。初学者向けに、電気回路の基礎事項までわざわざ説明している(おそらく復習的な意味合いで)。著者が繰り返し主張しているのは、常識的な値を身につけるということである。ご存じのとおり、トランジスタは関数のように一意的に動作解析ができるものではない。そのため種々の動作解析の方法が考案され、それらの手法を用いて理想的な動作に近づくように設計者は努めなければならない。このときに、常識的な値というのが肝要になってくる。これらは身に付いているか身についていないかである。我々学生は実際に設計するのは紙の上でしかできないが、それでもいろいろな電子回路の問題にあたっているうちに受動素子の選定のときなどで、常識的な値が思い浮かぶようになるのである。話はそれたが、著者の本当に電子回路を身につけさせたいという熱意が伝わってくる教科書である。もちろん、イラストや下らないマンガでごまかした実用的などと銘打った鳥肌の立つ絵本とは比べてほしくないぐらいの本である。
PS
最近見直したら別に大していい本じゃなかったので、評価を☆5から3に変えます。以上。
PS
最近見直したら別に大していい本じゃなかったので、評価を☆5から3に変えます。以上。