十二歳 (講談社文庫) の感想
参照データ
タイトル | 十二歳 (講談社文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 椰月 美智子 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062759281 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » や・ら・わ行の著者 |
購入者の感想
主人公は12歳の女の子で、少学6年生の一年間が描かれています。最初のうちは、ポートボールの試合に勝った〜!!なんて事が書かれていて、ちょっとめげるんですが、そこを過ぎるとドンドン「煌めきの世界」に入り込んでいきます。とは言っても、非常に魅力的な「屈折した」少女の精神世界の描写で・・・思わず泣けます。
描かれているのは、はっきり言ってたわいの無い事ばかりですが、子供から少女に代わっていく主人公の戸惑いと焦り、そして切なさに震える心模様が手にとるように表現されていて引き込まれますね。
正直言って、自分が同じ年齢の頃には全く考えていなかった、想像も出来ないような微妙な精神世界です。ひょっとしたら、作者のあの頃の経験というより、子供の形を借りて、大人になった作者の感性を描いているのでは?と思えるほどで、そんな意味から言えば、「十二歳」という題名にこだわらずに、「16歳」でも「20歳」でも良いように思えます。「25歳」でも・・・?(笑)
日々変わっていく少女たち、同じものを見ても、あの時と今で感じ方が変わってしまったことに愕然として泣かずにはいられない・・・そんな主人公の切ない思いがよく分かります。良いね〜〜!!
描かれているのは、はっきり言ってたわいの無い事ばかりですが、子供から少女に代わっていく主人公の戸惑いと焦り、そして切なさに震える心模様が手にとるように表現されていて引き込まれますね。
正直言って、自分が同じ年齢の頃には全く考えていなかった、想像も出来ないような微妙な精神世界です。ひょっとしたら、作者のあの頃の経験というより、子供の形を借りて、大人になった作者の感性を描いているのでは?と思えるほどで、そんな意味から言えば、「十二歳」という題名にこだわらずに、「16歳」でも「20歳」でも良いように思えます。「25歳」でも・・・?(笑)
日々変わっていく少女たち、同じものを見ても、あの時と今で感じ方が変わってしまったことに愕然として泣かずにはいられない・・・そんな主人公の切ない思いがよく分かります。良いね〜〜!!
椰月美智子さんという方のデビュー作となる作品です。
ということで、所々に「新人らしさ」が見られます。別にヤサオ先生をあんな現代的じゃないキャラにする必要は
なかったと思うし(あんな人、15年くらい前、私の小学生時代辺りで絶滅したような…、なんだか、直人先生まで格好悪く
見える)、心情描写もかなり私小説、というか著者の方の小学生の時の気持ちと、今の著者の思いがごっちゃになっている
気がして、湯本香樹実などに比べるとまだ発展途上という感じ。
でも、なんだかこの小説は読んでいくうちにだんだん惹かれていってしまった。
主人公の独白(独り言体)で進められる気持ちのゆれ具合は、子供らしいごちゃごちゃさが出ているし、
教室の様子はあぁ、懐かしいなぁ、と思いました。時折びくっとさせられるような表現があって、
それに今どきの子っぽい悩み方をしていてだんだん感情移入してしまう…。
あぁ、十二歳の時って西田君みたいな気持ちだったなぁ、とか、主人公の女の子の悩みは一体何なんだろう、とか、
頭がごちゃごちゃしてきて嫌いじゃないなぁ、と。
なんだか新鮮で、さわやかで、でもきっちりきっちりしていていいなぁ、タイトルも、最後の谷川俊太郎の詩もいいなぁ、と。
何だかまた好きな児童文学作家ができてしまった。
たぶん、結構小学4,5年生の女の子なんかでもかなり楽しんで読んでくれるんじゃないかな、と思います。
ということで、所々に「新人らしさ」が見られます。別にヤサオ先生をあんな現代的じゃないキャラにする必要は
なかったと思うし(あんな人、15年くらい前、私の小学生時代辺りで絶滅したような…、なんだか、直人先生まで格好悪く
見える)、心情描写もかなり私小説、というか著者の方の小学生の時の気持ちと、今の著者の思いがごっちゃになっている
気がして、湯本香樹実などに比べるとまだ発展途上という感じ。
でも、なんだかこの小説は読んでいくうちにだんだん惹かれていってしまった。
主人公の独白(独り言体)で進められる気持ちのゆれ具合は、子供らしいごちゃごちゃさが出ているし、
教室の様子はあぁ、懐かしいなぁ、と思いました。時折びくっとさせられるような表現があって、
それに今どきの子っぽい悩み方をしていてだんだん感情移入してしまう…。
あぁ、十二歳の時って西田君みたいな気持ちだったなぁ、とか、主人公の女の子の悩みは一体何なんだろう、とか、
頭がごちゃごちゃしてきて嫌いじゃないなぁ、と。
なんだか新鮮で、さわやかで、でもきっちりきっちりしていていいなぁ、タイトルも、最後の谷川俊太郎の詩もいいなぁ、と。
何だかまた好きな児童文学作家ができてしまった。
たぶん、結構小学4,5年生の女の子なんかでもかなり楽しんで読んでくれるんじゃないかな、と思います。